■水際へのアプローチには細心の注意を
最後に、春ゼミパターンで釣果を得るうえでとても大事なことを助言したい。それはポイントに近づく際、水際のアプローチには細心の注意を払ってもらいたいことだ。
春ゼミを偏食する時期のブラウントラウトは、想像以上に岸近くに寄っている。特に岸から急に水深が深くなるポイントでは、岸から数メートル以内に身を潜めていることも多い。
トラウトが岸近くに身を寄せる理由は、おそらく湖面に落ちた春ゼミが風や湖流によって流されてくるからだ。流れついた先で待っていればエサがやって来るのだから、これほど都合のいい方法はない。
そんな岸近くにいる魚たちに警戒心を与えないためには、可能な限り水の中には入らずに陸上から静かに釣りをすることである。とても些細なことのように感じるかもしれないが、釣果を得るにはとても大事なことである。
■今が旬の春ゼミパターンの釣りを楽しもう
中禅寺湖で昔から楽しまれている初夏の風物詩、春ゼミパターンの釣りについて紹介したが、さっそく中禅寺湖に出かけてみたくなった人もいるのではないだろうか。
春ゼミパターンの釣りが最盛期を迎える6月上旬は、多くの釣り人で賑わっている。特に釣果実績の高いポイント周辺は人の出入りが激しく、土日はもちろん平日でも入れないと思った方がいいだろう。
だからといって気を落とす必要はない。人気ポイントは魚たちが常にプレッシャーにさらされて警戒心が高くなっているので簡単ではない。
ではどうすればよいのか? 釣り人の姿が見えない不人気のポイントに入ることを筆者はおすすめする。その理由は、警戒心がそれほど高くない魚が潜んでいる可能性が高いからである。実際に筆者もこの考えで人のいないポイントをいくつか探り歩いて良い釣果に恵まれたことがこれまでに何度もあった。
そんな自分だけのポイントを探して中禅寺湖の野性味あふれるブラウントラウトをぜひ手中におさめてもらいたい。
管轄漁協:中禅寺湖漁業協同組合 http://www.chuzenjiko.or.jp