■長等山テラスを目指す

緩やかな尾根道が続く登山道

 山上不動堂をあとにして、長等山テラスへと向かう。山上不動堂に向かって左の道を進んでほどなくすると、右手に登山口がある。入り口がとても狭くてわかりにくいので、看板を見落とさないように注意が必要だ。

 急斜面にある登山口で最初は驚くが、少し登ると緩やかな尾根道が現れる。

急な道とゆるい坂の分岐点

 尾根道と竹林を抜けると登山道の分岐点があった。「急な道」と「ゆるい坂」の2コースを選べ、初心者はゆるい坂コースがおすすめ。体力に合わせて登山道を選べる点も、長等山をおすすめしたいポイントなのだ。

長等山テラスにはベンチが設置してある

 登山口から約30分、長等山テラスに到着。疲れた体に、琵琶湖から吹く風がなんとも気持ちよい。琵琶湖大橋や鈴鹿に連なる山々など、琵琶湖周辺を一望できるパノラマビューは圧巻だ。ベンチが2つ設置されているので、ここで休憩がてらお弁当を食べるのもよいだろう。

■テラスでひと休みしたら「千石岩」へ

沢を渡って千石岩を目指す

 長等山テラスで眺望を堪能してから、次は千石岩(せんごくいわ)を目指す。道なりに行くと右手にロープが張られているので、そこから沢へ下って橋を渡る。

千石岩を示す看板

 対岸を少し登って進んでいくのだが、道が整備されていなくてわかりにくいので、時折ある「千石岩」への看板を見落とさずに進んでいこう。

画角に収まりきらないほどの大きさの千石岩

 長等山テラスを出発して15分ほど歩くと、目の前に大きな大きな岩が見えてきた。千石岩だ。その名の由来は、「巨岩が米俵千石積み上げたような形であるから」、「岩面が米俵千石を並べられるくらい広い」などさまざまな説があるようだ。

 また、古くは神の宿る磐境(いわさか)として信仰されていたそうだが、現在はロッククライマーの聖地として人気を集めている。確かにこの大迫力の巨岩を前にすると、クライマーでなくても冒険心がくすぐられる。

千石岩の上から眺める琵琶湖

 岩の裏側にはさほど険しくない足場があるので、そこから上に登ることもできる。ただ、ゴツゴツとした鋭い岩肌でかなり高さがある場所なので、無理をせず慎重に登ろう。千石岩から眺める琵琶湖の眺望は、駅から片道1時間とは思えない絶景だ。

 帰りは、早尾神社の境内へと続く道を下山。近くを流れる涼やかな清流に癒されながら帰路に着く。こちらの道は広々としているので、迷うことはなく安心して帰れるだろう。

 行きも帰りも「涼」を味わえる長等山の低山ハイキング。これから訪れる暑い夏に、ぜひトライしてみてはいかがだろうか。

 

【山行ルート&タイム】
大津京駅駅から登山口(20分)→登山口から長等山テラス(30分)→長等山テラスから千石岩(15分)→ 千石岩から登山口(30分) トータル1時間35分

●【MAP】早尾神社 滋賀県大津市山上町

●【MAP】長等山テラス 滋賀県大津市

※この記事の情報は2024年5月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。