●3. ベルルッティ結び

 最後は、ベルルッティ結びだ。ベルルッティとは、かの有名な高級革靴店に由来している。見た目がオシャレなだけでなく、片方のひもを引いただけでは簡単に解けないのが特徴だ。ベルルッティ結びを施した登山靴では、丸一日登山をしても全く解けなかったほどで、筆者が一番おすすめする結び方である。

 1. 二重にひもを結ぶ。蝶結びのはじめの結び方をした後、もう一度ひもをくぐらせればOK。

蝶結びのはじめの結び方の後、もう一度ひもをくぐらせて二重に結ぶ(黄丸のようにコブが2つできればOK)

 2. 蝶結びと同じようにひもを結ぶ。このとき、ゆるく結ぶのがポイントだ。

蝶結びと同じ要領で輪っかを作る
蝶結びと同じ要領で、作った輪に片方のひもを「ゆるく」巻きつける
ここまでは蝶結びと同じだが、ゆるく結ぶのがコツ(黄破線のように空間を作っておこう)

 3. 右側の輪を、作っておいた空間にくぐらせる。

右側の輪をもう一度くぐらせることで、ほどけにくくなる

 4. 結び目と全体を整えて完成。

結び目と全体を整えて出来上がり。見た目にもかっこいいのがgood

■簡単&解けないひもの結び方で、快適な登山をしよう!

 今回の記事では、解けにくい登山靴の結び方について3パターン解説した。慣れてしまえば20秒以内で結べるようになるので、ぜひマスターしてほしい。ひもの結び方は、その重要性の割に見落とされがちで注目されることが少ないため、この機会に解けない結び方を習得しよう。

 中でも、筆者のおすすめはベルルッティ結びだ。私見となるが、紹介した結び方の中では解けにくさNo.1である。そのため、山行中のひもの結び直しのストレスが大幅に軽減できるのが大きな利点だ。

 また、紹介したひもの結び方は、登山以外にもマラソンなどのシューズや普段の生活でも活用できる。日常的に利用すると自然と覚えて、結ぶスピードもアップするのでおすすめだ。

 春山登山の際は、地面の植物だけでなく足元の登山靴にも気を配り、楽しい山行を満喫しよう。

 靴紐が解けたまま歩くと、ほかの人にひもを踏まれたり、自分の足でひもを踏んだりして転倒する危険がある。岩場や下り坂での転倒は重大事故にも繋がりかねないので、靴紐はしっかり結んでおこう。