通常時はテーブル&ソファーモード
就寝時はマットを敷き詰めてベッドモードに

 そういった気楽さに加えて、自分にとってはDIYすることも大きな楽しみになっています。最初からいい車を買うという手もありますが、ベッドを作ったり、テーブルや椅子のレイアウトを考えたり、限られた空間をいかに自分らしく、快適にできるか試行錯誤するのも楽しんでいます。

 Nバンのカスタムはほぼ完成しましたが、妻と2人で使うにはやっぱり狭いので、新たにボンゴを手に入れました。夢は日本一周です。一気に回るのは大変だと思うので、何度かに分けて行くことを考えています。

 たとえば10日間かけて北海道を一周したら、一度自宅に帰って、いい季節を見計らって次は九州に行って、という具合です。旅のあいだは車中泊だけにこだわらず、ホテルも使うなど、無理せず旅を続けたいと思っています。ジジイとババアなので、バンライフではなくバンツアー。バンで暮らすのではなく、バンで旅をする。

 そういう車中泊の旅をイメージしています。

■目立たぬようにひっそりと。立つ鳥跡を濁さず

制作予算は30万、期間は夫婦2人で2か月半かかった

 車中泊の旅では、とにかくマナー違反をしたり、周りに迷惑をかけたりしないように気をつけています。

 たとえば、道の駅は車の旅に欠かせない施設ですが、仮眠をするのはOKでも、車中泊目的の利用は原則的に禁止とされています。すでに車中泊キャンパーの利用が問題になっている場所も多々ありますが、テーブルを出してデイキャンプのようなことをするのはNGだし、ゴミを放置していくなんてもってのほかです。

ベッドの下は収納スペース
収納棚の蓋を開くとテーブルとしても使える

 仮に車での宿泊が黙認されているような場所だとしても、できるだけ目立たないように行動するのが大切です。夜間に大音量で音楽やラジオをかける人はさすがにいないと思いますが、アイドリングのエンジン音や、静かな場所ではドアの開け閉めの音やひそひそ話でさえも、意外と気になるものです。目立たぬようにひっそり休んで、立つ鳥跡を濁さず。これが車中泊旅の基本です。

 北海道の旅では、道の駅で仮眠をとることもありましたが、キャンプ場も積極的に使いました。車中泊できる場所を限定しているキャンプ場もあるので、そういうことも旅の計画時にちゃんと確認します。

 設備が整ったRVパークは電源も使えますし、安心して利用できる選択肢です。今はたくさんの人たちが車中泊を楽しんでいるので、こうした、誰でも安心して使いやすい環境が今後ますます整っていくと期待しています。

*本記事は『いくつになっても遊び続ける』(KADOKAWA刊)に加筆・修正を加え、再編集したものです。