■山火事を経て、足利アルプスは火気厳禁の山域に
山頂にある神社周辺には、いくつもの焼け焦げた木立が目につきます。
覚えている方もいるかと思いますが、両崖山は2021年の冬に山火事になって3週間に渡って燃え続け、全国的に大きなニュースとなった山です。地元ハイカーに聞いた話によると、原因はハイカーのタバコの不始末だとか。
その影響で、現在この山域では火気厳禁。バーナーの使用も禁止なので、温かいお湯が必要な方はあらかじめ保温ポットに入れていきましょう。
不幸中の幸いだったのは、燃えている間ずっと強い風が吹き続けていたため、樹上の葉にはあまり火が燃え移らなかったこと。背の低いツツジなどは燃えてしまいましたが、100ヘクタール以上という延焼範囲の割に大きな木がたくさん残ったそうです。
両崖山と天狗山の間にある紫山周辺(ツツジが咲く時期には山が紫色に染まって見えるほどの名所だった)のツツジは、ほとんどが燃えてしまったそうです。しかし、あたりの地面をよく見るとまた健気に新たなツツジが芽吹き始めていて、人間の身勝手さと自然の力強さを感じさせられました。
■後半戦は岩場を登る新ルートも登場
紫山を越えるとルートも折り返し。この先は天狗山まで気持ちの良い稜線歩きが続きます。
山頂手前には、「サーティーワンチェーン」というアイスが食べたくなるような名前の岩場&鎖場があります。ここは今年の3月に開通したばかりの登り専用ルートで、鎖が31mも続くことから名付けられたもの。低山にあるとは思えないほどの登り応えです。高い場所が苦手な方は、巻道もあるのでご安心ください。