■人気を集める泊の新しいアートスポットにも猫が……

 日中がどんなに暑くとも、夕方になれば涼しい海風が吹くはず……と、那覇市内で唯一夕陽を望める岸壁まで出かけてみたのだが、この日は海風さえも生暖かく、猫たちは日没間際になってもコンクリートの日陰で過ごしていた。

港近くは台風対策もあってコンクリートの家が多い
コンクリートブロックの上で体を冷やしていた長毛サビ
厄よけ、浄化の力を持つトラノオの隙間から覗く

 男気あふれる港町のイメージが強い泊だが、最近、若狭と曙と繋ぐ泊大橋の真下に、そのイメージを覆すお洒落なホテルが誕生した。打ちっぱなしのコンクリートと南国のグリーンで構成されたホテルのエントランスは見るからに島猫の好みで、オープン早々にお気に入りの昼寝場所になったようだ。ホテル側も「先住の皆さんを尊重します」というスタンスで彼らを受け入れ、泊の新しいアートスポットとして人気を集めている。

エントランスの看板という「顔」の上で昼寝を決め込む

写真/仲程長治 文/シマネコキネマ 

【琉球島猫百景】(2020.7.12)