■スモークサウナの博物館「サウナキュラ」について

フィンランド国内からスモークサウナを集めた博物館「サウナキュラ」

 ツアーでは、フィンランドでも貴重な存在になりつつある伝統的なスモークサウナばかりを集めたミュージアムを訪れました。フィンランド南部の地方都市であるヤムサ市の郊外にある「Saunakylä(サウナキュラ)」です。「サウナキュラ」は、スモークサウナの敷居を下げ、多くの人に体験してもらうと同時に伝統的な文化を残していきたいという思いのもと、有志のボランティアスタッフにより運営されています。

 こちらには国中から集めた貴重なスモークサウナを中心に、現在は29棟が展示され、そのうち13のサウナに実際に入ることができます。中には1700年代に建てられたものや、戦争中に兵士が1日で建てたという驚きのサウナもありました。

壁を建てるより掘った方が簡単だったため昔は地中サウナが多かった

 今回は、このツアーのスペシャルな特典として、2つのスモークサウナの火入れから仕上げまでを担当させてもらいました。火が絶えないよう数時間に渡り薪をくべました。

スタッフの方に火入れを見せてもらう。全員が真剣!
スモークサウナの最後の仕上げ。ロウリュによって有害な灰を排出する

■スモークサウナの魅力

ツアーメンバーとスモークサウナを堪能

 スモークサウナの中は、どこも電灯はなく大概が真っ暗です。吸気と排気を担う小さな窓からの明かりを頼りにベンチに座り、暗さに目が慣れてきたら桶に用意されたお湯を柄杓でロウリュします。室内にはスモーキーな香りがふんわり漂っていて、薪火で数時間温められた空間は、角がなく“マイルドな熱さの最上級”といった感じです。

 スモークサウナでのロウリュは作法が決まっていて、水を大量にドバっとかけず、少量を時間をかけてゆっくりじっくり1か所に垂らしていきます。すると蒸気が少しずつ舞い降りてきて全身を優しく包みこみます。これがこのうえなく心地よく、スモークサウナが大好きになってしまいました。

サウナキュラに隣接したキンキンの湖。首まで浸かると現地の方が拍手をくれた

■夏を満喫するフィンランドの方々

サウナ後にベンチで休憩するフィンランドの方々

 オープンの16時を迎えると一般のお客さんが入ってきます。自宅で楽しめない貴重なスモークサウナに入るため、おばあちゃんもビキニを着て、ロウリュをしながらお友達とニコニコ会話を楽しんでいました。皆さんの表情は明るく、長かった冬を終え、待ちに待った夏を全身で堪能しているように見えました。

ロウリュをする現地のおじいちゃん