■筆者のお気に入りはつぶらな瞳の「ユメカサゴ」
他に何種類か深海魚の干物を食べ比べてみたのですが、筆者のお気に入りはつぶらな瞳の「ユメカサゴ」。それほどレアな種類ではなく、深海魚の中では比較的手に入りやすい部類ですが、お値段は高級魚です。
真っ黒なお腹が深海魚であることを物語っております。背ビレにはビシーっと棘が並んでいます。見た目はカサゴやノドグロに似ていますね。
トウジンと同じく30cm弱の魚体でしたが、こちらの魚種は生魚のサイズがそのくらいだからか、非常に脂が乗った身質でした。
焼いてみたところ、じわーっと脂が滲んできて、この時点で早くも美味そうです。
箸で身をほじくり出してみると、プリッとするほど脂が乗っていて、非常に美味でした。上品なお味は、まるでノドグロや金目鯛のようです。
地元では、干物以外に鮮度の良いものを湯引きにしてお刺身にしたり、煮付けにしたりするそうです。そのあたりもノドグロや金目鯛に似ていますね。
■味は見た目じゃ判断できない!
グロテスクな見た目が多い深海魚ですが、底曳き網にたまたま入るため漁獲量が少なく、ほとんどが地元で消費されます。その分、馴染みがなくて広く知られていないだけで、じつは美味しい魚も多いことがよくわかりました。
季節によっては、沼津周辺のお寿司屋さんや定食屋さんでも食べることができるそうです。フライにした深海魚をバーガーとして売り出している店もありましたが、これは通年食べられそう。次回の宿題にしたいと思います。
魚の味は見た目で判断できません。みなさんも、見かけたら躊躇わずにぜひトライしてみてください。