その昔、宗円和尚が「ころり」と滑った参道だった山道も

その昔、和尚さんが転んだことが名前の由来

 この山中には、今は北門跡の石しか残っていない廃寺「小松寺」がありました。平安時代だった845年頃から江戸時代元禄期まで存在した寺院で、もっとも栄えていた頃には僧侶が住む御坊が67棟もあり、120人の僧侶が生活する大寺院だったと文献に記されているそうです(廃小松寺のより詳しい話はまた別の機会に)。

 室町時代、石清水八幡宮(京都府八幡市)に出かける宗円和尚が参道の斜面で足を滑らせて谷底に落ちかけましたが、首にかけていたお守りの紐に守られて命をとりとめたという言い伝えがあります。その斜面は和尚にちなんで、「宗円ころり」と呼ばれています。

 この坂を歩くたびに「そりゃ、和尚も転げ落ちるよなぁ」という思いと同時に、「この道が大寺院の参道だったのかぁ」という古のロマンを感じるポイントです。

その和尚の名前が由来の山もある

 ところどころで短い急斜面が登場するものの、比較的歩いたり、走ったりしやすいシングルトラックを進みます。「弁財天山(258.8m)」、「北山師岳(269.5m)」を通過し、眼下に街の風景を楽しみながら旭山へ向かいます。

2018年の大型台風直撃以降、すごくひらけた尾根道から

 道中には枝道もたくさんあり、「次はどの枝道を冒険しようかな?」とイメージしてしながら、旭山経由で星田新池に下りて終了です。

 距離は約4km。ゆっくりハイキングで1時間半、軽く走ると1時間ほどのルート。陽射しは暖かいけれど、まだ空気が爽やかな今の時期が、このルートのベストシーズンです。

弁財天山
街の風景を楽しめます
今回の終点ピーク「旭山」に到着
星田新池を目印に下山して終了

下山後のおすすめソトアソSPOT:
・住宅街に抜けるのでお店はない。自販機の冷えたジュースを調達し、「星田新池広場」でプチピクニックがオススメ。

ソトアソDATA:
難易度:★★★☆☆ 植生が同じで枝道多いので道迷いに注意。「?」が浮かんだら、すぐマップを確認しよう。
体力度:★★★☆☆ 距離は短いものの、急登急坂が多いので結構ハードです。
ルートタイムの目安: 距離約4km、ルートタイムの目安はハイキング1時間30分、トレラン55分