■日本一背の高い大鳥居と満開の桜
熊野本宮大社の旧社地「大斎原(おおゆのはら)」。以前はここに本宮大社の社殿があったが、明治時代の水害により社殿が流され、現在の場所に移された。
大斎原にたつ大鳥居の高さは33.9mと歴代日本一の高さ。初めて観た人は必ず、足元に咲く桜の木と比べ、そのサイズ感の違いに驚くだろう。木造な本殿の鳥居と比べ、こちらはコンクリート製のしっかりした造りでもある。
大斎原の桜は毎年3月下旬から4月中旬の間が見ごろ。詳しい開花状況は、熊野本宮観光協会のホームページで確かめよう。
桜の花は下向きに咲くため、見上げるように撮影するのがよい。またこの時期には鯉のぼりも飾られている。遠くからだと桜に隠れて見えないが、鳥居をくぐる頃には目に入ってくる。青空で泳ぐ鯉のぼりもぜひ眺めてみてほしいポイントだ。
●熊野本宮観光協会
・住所:〒647-1731 和歌山県田辺市本宮町本宮100-1<世界遺産熊野本宮館内>
・電話:0735-42-0735
・ホームページURL:https://www.hongu.jp
※営業日時はホームページよりご確認ください
■春の一大イベント「熊野本宮大社例大祭」
熊野本宮大社では、一年で最も大きなイベント「熊野本宮大社例大祭」が春に行われる。毎年4月13日から15日までの3日間でさまざまな祭りや神事が行われ、観光客や地元の人々でにぎわいを見せる。
最も人気なのは、15日に行われる「渡御祭(とぎょさい)」。神輿を中心に、総勢100名を超える大行列が熊野本宮大社の本殿から、旧社地・大斎原へと移動する。例大祭のメインイベントともいえるほど華やかで、観光客にも人気だ。
大斎原では地元の子どもたちや巫女たちの舞が奉納され、最後は餅まきで締めくくられる。
餅まきで満足して帰る人も多いが、実はこのあとも必見だ。大鳥居を抜けて本殿へ戻る大行列はとても華やか。大鳥居を背景にした行列は良い画になるため、カメラマンたちもこぞって撮りたがる。こちらもぜひ見逃さないようにしよう。
例大祭はもちろん、満開の桜や歴代日本一背の高い大鳥居、珍しい真っ黒な「八咫烏ポスト」など、見どころが数多くある「熊野本宮大社」。
周辺には「熊野本宮温泉郷」があり、約1800年前に見つかった「湯の峰温泉」や、川原を掘ると湯が湧き出る「川湯温泉」といった名湯も多いので、お花見や例大祭の帰りに寄ってみるのもよいかもしれない。
世界遺産にも登録されている熊野の地域。熊野本宮大社や大斎原はもちろん、信仰の対象となった周りの豊かな自然はパワースポットにもなっている。訪れれば思い出に残る良い旅になるだろう。
※この記事の情報は2023年4月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はHPでご確認ください。