三尾山(みつおさん)は、兵庫県丹波篠山市と春日局の故郷、丹波市春日町の市境にある、標高586mの眺望のよい山。

 最近、登山関連の掲示板などを見ると、この三尾山の山頂で、「みつおさん!」と叫ぶのが山ガールの間で流行っているらしい。本当にそんな山ガールがいるのだろうか。

 この時期、ホワイトデーのお返しの不満を叫んでいる山ガールがいるかもしれないと感じ、調査に赴いた。

■三尾山とはどんな山?

三尾山標高イメージ図(図:野口宣存)
佐仲峠より三尾山の本格的な登山道がはじまる(撮影:野口宣存)

 三尾山は、「三尾山(586m)」、「中三尾(552m)」、「前三尾(529m)」3つのピークがあることから、三尾山と呼ばれている。三尾を巡るには、尾根伝いにピークを目指す縦走が必要。

 登山初心者にとってハードルが高く感じる縦走だが、三尾と「コル(ピークとピークの間の低い鞍部を指す登山用語)」の標高差は8~55m。三尾山の縦走は意外と楽に体験ができることもあり、人気なのだ。

佐仲ダム湖畔にある佐仲峠の案内板(撮影:野口宣存)
佐仲峠の案内板にあった清水茶屋跡と思われる遺構(撮影:野口宣存)

 また、三尾山は歴史のある山でもある。山頂にある三尾城跡は、織田信長の命令で行われた明智光秀の「丹波攻め」により落城した、赤井氏の城の一つ。

 山頂付近にある「佐仲峠(さなかとうげ)」には、古代出雲族が河内国へ移住する際、通過したという伝説が残されている。山のふもとの川内多々奴比神社(かわちたたぬいじんじゃ)は、諸説あるが古代出雲族や物部氏に関連する、楯縫(たてぬい)氏ゆかりの神社と言われている。