■大剣神社で迫力の御塔石を拝む

 足運びに十分気をつけ、大剣神社前に無事到着。御神体である「御塔石(おとうせき)」が目の前に鎮座しており、実際に目の前にすると、とても大きく威圧感があった。

 この大剣神社は「悪縁を断ち切り、良縁を結ぶ神社」とされるようだ。

大剣神社の御神体「御塔石(おとうせき)」(撮影:彩)

 大剣神社を抜け、山頂を目指す。時間的には山頂まであと40分というところ。こちらの道もかなり残雪があり、朝日しか日光が当たらないのだろう。十分に足運びに気をつけて歩く必要があった。

剣山山頂手前の東側斜面。かなり雪が残っている(撮影:彩)
剣山頂上ヒュッテまでもうすぐ(撮影:彩)

 ついに剣山頂上ヒュッテの間近まで登ってきた。見上げると真っ青な青空が眩しいくらいだ。少し前から前方に見えていた大きな剣山本宮の鳥居をくぐる。

 山頂に鳥居があるのは、剣山がはるか昔から山岳信仰の対象とされてきたから。それ以外にもさまざまな逸話が残る山として有名なのだ。

歴史を感じさせる鳥居をくぐる(撮影:彩)
剣山頂上ヒュッテからの展望(撮影:彩)
剣山山頂はとても広い(撮影:彩)

 剣山頂上ヒュッテを山頂方面に抜けると、広大な広場が。山頂の木道は整備されており、木道以外の笹が生えている箇所は保護されているため立ち入ってはならない。

 この木道を進むと剣山山頂、標高1,955mの看板があった。奥に見える石で円形に囲まれた所にとっても立派な三角点があった。

■ついに剣山山頂へ。そこには雄大な景色が待っていた

 山頂に到着したのは午前8時手前。まだ早朝のため登山者には一人も出会わず、美しい景色を独り占めできた。山肌の谷部分に薄っすらと雪が残っており、この時期しか見られない景色に感動した。

剣山山頂へ到着!(撮影:彩)

 剣山山頂から続く次郎笈(じろうぎゅう)という名前の山頂までは、近いようで意外とアップダウンがあり、はやくあのピークを踏みたいと急いで進むと、息が上がってしまった。

 山頂はじっとしていると少し冷えてくるが、太陽の光がさんさんと降り注ぎ、風もほとんどなかったため、ウインドシェルなどのアウターは必要がないほど暖かかった。

次郎笈(じろうぎゅう)のピーク。剣山はこの次郎笈に対して太郎笈(たろうぎゅう)とも呼ばれる(撮影:彩)
​次郎笈から剣山方面を見た登山道。まだ朝の9時前。朝日と青空が美しい(撮影:彩)

 みんな待ちわびていた春の幕開けを、すばらしい景色とともに感じることができた。