毎年1月に開催される箱根駅伝の2区と9区は、全区間が横浜市内となる。東京寄りの区間は、中継所の名前にもなっている鶴見区がコースになっているのだが、そのコースと並走する京浜急行本線に「花月総持寺(かげつそうじじ)」という名前の駅がある。

 花月総持寺駅は、京急鶴見よりも、1駅横浜方向にある。停車するのは普通列車のみで、快特や特急などの優等列車は通過。日中は10分に1本の列車がやってくる、のんびりとした雰囲気の駅だ。

今回紹介するスポットとは線路を挟んで逆方向にある、駅東側の出入口(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
駅から東側を望む。信号がある交差点が、箱根駅伝のコースとなる国道15号(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 2020年3月までの駅名は「花月園前」だったが、ではこの「花月園」とは一体何なのか。そして、新たな駅名に含まれた「総持寺」とは、どういった場所なのだろうか。

■花月園の跡地を開発して活用

JRの線路を渡る跨線橋から工事をしているのが見える(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 かつてこの駅は、1914年に開設された「花月園」という遊園地へのアクセス駅であることを示し、「花月園前」という名前だった。観覧車やメリーゴーランドなど、遊具や自然を活かした施設などで人気を博し、「東洋一の大遊園地」とまで呼ばれていた。

 戦争の激化による閉園を経て、戦後には競輪場として生まれ変わるも、2010年に閉場。その後、競輪場の跡地を住宅と公園に再開発する計画がまとまり、公園が先に開園して現在に至る。

■鶴見花月園公園

花月総持寺駅の改札を出てすぐ目に入る看板(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 駅の改札を出て左方向に進むと、花月園の跡地がある。取材した当日時点では、駅から公園に至る道はあらゆる箇所で工事の実施中であった。跨線橋を渡り、公園までは緩やかな上り坂を進む。

2021年11月1日開園の新しい公園(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 しばらくすると、きれいに整備された公園に行き着いた。表記にもあるように、この公園が鶴見花月園公園であることは間違いない。

球技に使用できる多目的広場。少年野球の練習にも使われている(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
広々としている大原っぱ(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 坂をさらに上ると、視界が大きく開け、芝生が広く敷かれた広場が見えた。小高い丘の上にあるこの広場からは、横浜の海が一望でき、みなとみらいやベイブリッジも見える。

 脇には遊具のある広場がもう一つあり、小さな子連れで遊びに来る公園としては最高のロケーションであった。

園内からは富士山も見える(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
海の方を望む。右手にみなとみらい、正面にはベイブリッジが見える(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

●鶴見花月園公園

住所:横浜市鶴見区鶴見1-1-1