山梨県北部に位置する北杜市は、日本百名山のうち5つが存在する。季節ごとに表情を変える景色を楽しみに訪れる人も多く、観光地としても人気だ。

 そんな山梨県北杜市には、魅力的な温泉がいくつもあり、登山客やキャンプを終えた人たちに親しまれている。今回は山梨県在住の筆者が特におすすめする3つの温泉を紹介する。

■おすすめ その1「増富の湯」

 増富の湯(ますとみのゆ)は、日本百名山の瑞牆山(みずがきやま)と、同じく日本百名山である金峰山(きんぷさん)の山合いにあり、登山シーズンには多くの登山客が訪れる。この地域の源泉は、武田信玄が金を発掘する際に掘り当てたと言われており、当時から負傷した兵士の療養に使われていた。

増富の湯のお湯は、濁った特徴的な色をしている(写真提供:増富の湯)

 中に入ると、浴槽が細かく区分けされて、お湯はかなり濁った色をしており、一般的な温泉とは明らかに異なる景色が、目に飛び込んでくる。

「30分入り続けられる」を目安に好みの温度を選ぶ(写真提供:増富の湯)

 増富の湯では「25℃・30℃・35℃・37℃」と源泉の湯舟が4種類の温度に分けられており、好みの温度で温泉を楽しめる。源泉にゆっくり浸かると、疲労物質の乳酸が排出され筋肉疲労が軽減されるため、登山後の入浴がおすすめ。

 その他にも泡風呂、ジャグジー、打たせ湯、寝湯、薬湯、檜風呂、サウナ、寝湯源泉風呂など、さまざまなお湯が楽しめ、つい入浴時間が長くなってしまう。

増富の湯の温泉に含まれる「ラジウム」には多くの効能がある(写真提供:増富の湯)

 濁ったように見える源泉は金泉湯とも呼ばれ、ラジウムを多く含んでいる。ラジウムは抗酸化作用による免疫力の向上や、細胞の活性化などの効能があり、この地域のお湯は、古くから人々の健康に寄与してきた。

 増富の湯には、『温泉入浴指導員』が常駐しており、入浴者に合わせた入浴方法を指導してくれるため、自分に合った入浴方法を見つけて、温泉を満喫してほしい。

<料金>
大人・中学生以上:830円
4歳以上小学生まで:510円
0歳~3歳まで:無料

●増富温泉

住所:〒408-0102 山梨県北杜市須玉町比志6438
電話:0551-20-6500 

URL:https://www.masutominoyu.com/access.php
※営業日時はホームページよりご確認ください

■おすすめ その2「むかわの湯」

特殊な泉質で人気の「むかわの湯」(撮影:瀬川あずま)

 「むかわの湯」がある北杜市武川町は標高700mに位置しており、甲斐駒ヶ岳から流れる水を使った米作りが盛んで、「幻のお米」と呼ばれる「武川米」の生産地となっている。

 むかわの湯の源泉は、「ミネラル成分を多く含む温泉」と「冷鉱泉」の2つの源泉が混ぜ合わされた特殊な泉質となっている。

「むかわの湯」の内湯(写真提供:むかわの湯)

 切り傷、うつ状態、乾燥症にも効果が期待できる特殊な泉質が、露天、寝湯、打たせ湯など、10種類もの温泉で味わうことができる。

「むかわの湯」の露天風呂(写真提供:むかわの湯)

 車で5分ほど移動すれば、日本初の天然記念物であり、日本三大桜の一つでもある、山高神代桜(じんだいざくら)も見ることができる。

樹齢1800年〜2000年と言われる、日本初の天然記念物に指定された北杜市武川町の神代桜(撮影:瀬川あずま)

 春になると、多くの観光客で賑わう北杜市武川町。神代桜と共に、名物温泉を味わってみるのはいかがだろうか。

<料金>
大人・中学生以上:830円
小学生:420円
小学生未満:無料

●むかわの湯(シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社受託運営)

住所:〒408-0302 山梨県北杜市武川町牧原1322
電話:0551-20-3113 

URL:https://mukawanoyu-shidax.com/access/
※営業日時はホームページよりご確認ください