登山中に起こるトラブルには、大小さまざまなものがある。遭難や滑落などの大トラブルは想像しやすいが、それ以外にも定番のプチトラブルがある。今回は、登山に良くあるプチトラブルに対しての予防や対処の方法をご紹介する。

■靴擦れ

絆創膏は複数サイズを用意しておくと対応の幅が広がる(撮影:山下直人)

 楽しい登山が一転、苦行になってしまうのが靴擦れ。踵に発生することが多く、擦り剝けてしまうと激痛で歩行が困難になる。

 主な予防方法は3つ。1つ目は、靴を履き慣らしておくこと。購入したばかりの靴に足が慣れていない場合に発生しやすいため、購入後は十分に歩いて靴を慣らしてから登山に臨もう。

 2つ目は、靴下にたるみを作らないこと。たるみ部分によって局所的に圧力をかけ、靴擦れになりやすい。

 3つ目は、違和感を感じたら、すぐにその箇所にカットバン等を貼っておくこと。痛みがひどくなったり擦り剝ける前に絆創膏を貼ることで、悪化を防ぐことができる。

 もし、靴擦れが発生してしまったら、絆創膏を二重に貼るなどして靴との接触を抑え、痛みを軽減させよう。いずれにしても、切り札は絆創膏だ。

■つま先の痛み

靴を履く時は、つま先に空間を作るようにするとよい(撮影:山下直人)

 足のつま先の痛みは、下り坂でつま先が靴先に当たることで発生しやすい。これは、靴の履き方を工夫することで予防できる。

 靴紐を解いた状態でかかとをトントンと軽くノックし、つま先にスペースを作る。その後、爪先の方からきつめに靴紐を結んでいくと、つま先の空間を保持しやすい。症状が発生した場合も、同じ方法でつま先に空間を作ろう。