■炎を復活させるのに使うと便利
熾火の状態からもう一度、新たな薪に着火させたいときにこそ、火吹き棒は活躍する。熾火の状態は、熱は十分だが可燃物がないため、チロチロと燃え続けている状態。この上に薪を置き、空気を送り込んで燃焼をサポートしてやれば、すぐに再燃焼が始まる。ここで火吹き棒を登場させるのが賢い使い方。むやみやたらに空気を送り込むのではなく、燃焼の理屈を頭に入れて状況を見極めながら火吹き棒を使えれば、自由自在に炎を操ることができる。
モクモクと白い煙が出ているときは、薪の入れ過ぎなどで酸素が不足して不完全燃焼を起こしている証。薪を間引いたり、組み直したりして空気の流れを改善させつつ、空気を送り込んでやるといい。焚き火からの合図を見逃さないようにしよう。
ちなみにメッシュタイプの火床は、空気が通りやすい反面、熱が逃げてしまい溜まりにくいのが欠点。そこで下から余計な空気が入らないように、薪を敷き詰めて火床を作ってから燃やし始めると熱が溜まりやすくなる。このように、焚き火台の特性に合わせて、薪の組み方を変えることも火起こしでは大切になる。
火が起きるために今何が必要な要素なのかを考えること(可燃物が足りないのか、酸素が足りないのか、熱が足りないのか)こそが、スムーズな火起こしのコツなのだ。