富良野と言えば「夏」、そして「ラベンダー」。これは周知の事実であり、6月下旬から8月上旬にかけて、たくさんの花畑が彩りの季節を迎え、色とりどりに来訪者の目を楽しませる。

 富良野在住の筆者も素晴らしい季節だと感じている。ところが彩りの季節はもう一つある。住んでいるからこそ見つけた彩りの季節、「秋」だ。

■秋の紅葉がきれいに楽しめる条件が揃った、富良野

 実は富良野地域は面積の70%が森林という大自然に恵まれた地域なのである。北海道特有の針葉樹と広葉樹が入り混じる「針広混交林」と呼ばれる地帯でもあり、様々な樹木が育つため紅葉する葉の種類も多い。

 そして、盆地であるが故に紅葉がきれいになるための条件の一つ、寒暖差が大きな地域でもある。となれば言わずとも「秋の紅葉」を期待してしまう。富良野には空知川という地域を大きく流れていく川があり、市街地を除けば人工物がほとんどなくなる、野性味のある川だ。

ガイド付きだから入ることができる、川から眺める大自然(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

■紅葉を見るなら川下りがおすすめの3つの理由

 紅葉を楽しむ方法と言えば、山へのドライブや山登りが一般的だが、渋滞にあったり、人混みに巻き込まれたり辛い思いをすることも。

 そこで筆者は川下りでの紅葉をおすすめする。理由の一つ目は川は常に流れているため、仮に前方に川下りをしているグループがいても留まることがなく動くので渋滞は皆無。それでいて流れはとても穏やかなので、ゆっくりと堪能できる。

 二つ目は人混みがない点。川は人が入ることができる場所が限られるため、一般的には敬遠されやすい。三つ目は自然の濃さ。富良野は手つかずの自然がたくさん残されており、川の周辺には住宅はおろか橋や電線すら存在しない。

 もちろん個人で川へ行くには知識と技術、装備が必要なので安全を考えるとおすすめはしない。しかし、ガイド付きツアーへ参加すれば、それは解消する。専門知識を得たガイドが自然解説も交え、安全に有意義な時間を提供してくれることは間違いない。

 「渋滞がない」「人混みがない」「人工物がない」、言い換えれば「快適に」「のんびりと」「大自然を満喫」、そんな紅葉見物がここ富良野で体験できる。

ガイドが自然解説を交え、富良野の紅葉を紹介する(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

■野生の味覚も満喫できる

秋の富良野では、山ぶどうやクルミも食べることができる(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 秋はと言えば「味覚の秋」と言うように、川下りの途中で見つけた山ブドウやクルミを食すのもよいだろう。ただし、採りすぎには注意。野生動物にとってもこれからは厳しい冬を乗り切るための大切な食糧源であるため、控えめに味覚を楽しむ程度にお願いしたい(※採取場所は公共施設、私有地ではありません)。

 花の夏が過ぎ、真白な冬が来る間の季節「秋」。今まで知らなかったもう一つの彩りの季節が富良野にはある。そして収穫の秋、胃袋も満喫して欲しい秋なのである。富良野の秋をぜひ堪能してみては。

 

●取材協力 ウッキーズ

・のんびり川下り 7900円~ 1歳以上
・カヌー川下り 7900円 10歳以上
・カヤック川下り 7900円 13歳以上

住所:〒076-0036 北海道富良野市字島の下
電話:0167-22-8787(8:30-19:00)

URL:http://www.wokkys.jp/