パウダースキーの限りない魅力と奥行きを追求し続け、すべての滑り手を虜にするコアマガジン『Fall Line』が今年も発売された。その誌面の佇まいや、質感までも含んだ魅力は手に取った読者にしか分からない、というのは承知の上で、コンテンツをいくつか紹介しよう。

■圧巻の巻頭ギャラリー

思わず息をのむ、圧巻の巻頭ギャラリー

 冒頭から約30ページ、広大な雪山にトラックが刻まれた「白い」ギャラリーがひたすら続く。静謐な白銀の世界を目にした読者は、たちまち心を鷲掴みにされるだろう。シーズンを待ち焦がれる想いは視覚によって刺激され、強烈に雪山へといざなわれるのだ。賛同の意を表すかのように、広告ページもこの構成を助けていることを忘れてはいけない。

■ALASKAN DREAM ~誰にも邪魔されず、デナリ公園の氷河周辺を滑る~

久々の海外記事。アラスカはデナリ公園
「Dinosaor Wall」を背に、はしゃぐメンバー

 感染者数増加という巨大なウネリが押し寄せるなか、セット間の絶妙なタイミングでゲティングアウトに成功した3人。外国の山の記事は何年ぶりだろう。チュガッチの喧騒を避け、デナリ国立公園の氷河にセスナでフライインしフルハイクによるハードコアライド。そんな旅の様子を、学生時代をアメリカで過ごした布施智基がレポートする。

■真冬の「大山」10年ごしの劇場が幕を開ける

小泉八雲もその雄姿をたたえた「大山」
名もなき軌跡を残した、素晴らしい1日!

 登山界では知られていた大山に、滑り手として光を当てたのは橋本貴興とフォトグラファーの原田岳である。彼らは2011年から5シーズンに渡って長野から通い詰め、2016年に「伯耆大山の5年間」を寄稿した。当時、彼らと行動を共にしていたのが大山をホームとする中村敦と岩戸貴志。2022年冬、豊作だったシーズンを、その岩戸がレポートする。

■『Fall Line 2023』は全国書店ほか、各オンライン書店で絶賛発売中!

 さあ、待ちに待ったシーズンは目前!  はやる気持ちを抑えつつ、まずは『Fall LIne』を手に、今年も訪れる極上のスノートリップを夢見て過ごそう!

『Fall Line 2023』本体1400円+税