■鈴鹿の上高地にしかない魅力

 魅力を感じるポイントは人それぞれであることを前提に、魅力について説明する。鈴鹿の上高地だけの魅力、それは「登山者しか行けない場所」である点。鈴鹿の上高地は、御在所岳の山腹にある 「タケ谷」 と呼ばれる場所にあり、登山口から約2時間を要する。

 一般の人では容易に行けない場所という点が、特に本家の上高地とは異なっている。

紅葉に彩られたタケ谷を歩く(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 登山者にしか行けない特別な場所だからこそ、山をさらに魅力的な場所へと変えてくれるのではないか。

■ピークを目指さない登山

 登山というと「山の頂上を目指すこと」と思う人は多いはず。しかし、筆者は「山の頂上を目指すだけが登山じゃない」と常々思っている。

 この考えは、登山をする目的によって変わってくる部分ではあるが、山の魅力というのは「そこにしかない自然の情景に出会う」ことであり、「歩くことでしか辿り着けない場所に行く」ことではないだろうか。

山の中でしか見られない花を探すのもまた楽しい(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 今回紹介させてもらった『鈴鹿の上高地』も、山の頂上を目指す山行ではなく、そこに行かないと見れない自然の情景に出会うことが目的となっている。

 もし「山をもっと知りたい」と思ったのであれば、ぜひ一度 山の頂上を目指さない山行に挑戦してほしい。きっと今までとは違った目線で、山の魅力を知るはずだ。