■スキーと登山技術の集大成!
とはいえ、この時期のサマースキーは楽しいばかりではなく、様々な困難も伴う。アプローチですべてを背負って登山するので、体力や筋力は必要不可欠。登山道を辿るとはいえ、残雪で途切れ途切れとなる道のルートファインディングは非常に難しい。
雪のコンディションは気象状況により様々。基本的には高い滑走技術が求められる。アイスバーン、ストップ雪、スプーンカットの斜面など、転倒や滑落の危険とも常に隣り合わせだ。
しかし、それらすべてを楽しむこともこの時期のサマースキー。整備されたゲレンデスキーや、気持ちの良いパウダースキーなどで培ったすべての能力を発揮してスキーを楽しむBCスキーの集大成とも言える。
■ベストタイミングは短い! エキスパートたちが集う山
豊富な積雪が残るとはいっても、この平ヶ岳が滑走可能となるシーズンは意外と短い。6月の雪解けは非常に早いため、いくら斜面に雪が残っていても登山道からのアプローチができなければ、自然保護の観点からも雪上にアプローチすることはタブーとなる。
ベストは林道解放から一週間。雪が豊富に残る年であれば、2週間ほどアプローチができる。そう、このサマースキーの旬は非常に短いのだ。まさに今だけ。その期間のなかで好天と滑りやすい雪質が当たることは、パウダー以上に確率が低いと言える。
だが、たとえ条件が悪くても、それもまた楽しんでしまうのがBCスキーだ。6月まで登って滑り続けるスキーヤーは、そのような楽しみ方を熟知した真のエキスパート。そんな本物たちが集うのが平ヶ岳だ。