瀬戸内海の「大三島(おおみしま)」は、愛媛県の最北端、大小の島々が密集した芸予(げいよ)諸島最大の島で、愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ「しまなみ街道」の6つの島の1つ。

 今や世界中のサイクリストを中心に注目を集める観光地だが、日本総鎮守の大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)が鎮座する「神の島」として古くから崇められてきた。

 大三島のほぼ中央、大山祇神社の背後にそびえる鷲ヶ頭山(わしがとうざん)は、大三島最高峰の山(標高436m)。神社すぐ裏の登山口から鷲ヶ頭山山頂まで自然研究路が整備されていて、全長約2km・約1時間30分(片道)で歩くことができる。

 日本離島センターの島山100選にも選ばれている名コースで、花崗岩の奇岩を縫うように稜線を歩き、瀬戸内海の多島美を一望する天空のハイキングコースである。ぜひ大山祇神社観光と合わせて楽しんでほしい。

■大山祇神社と神体山

大山祇神社

 大三島観光で外せない観光地・パワースポットの一つである大山祇神社は、日本全体を鎮める唯一の「日本総鎮守」であり、古くから海・山・戦いを司る神として歴代の朝廷や武将たちから崇敬されてきた。

 敷地内には、国の天然記念物に指定されている推定樹齢2600年のクスノキや、国指定重要文化財の本殿や拝殿、多くの武将が奉納した武具が収納・展示されている宝物館などの見どころがある。

 神社背後に堂々とそびえる三山の一つが「鷲ヶ頭山」で、別名「神野山」や「神ノ山」と呼ばれていた歴史がある。大山祇神社の神体山として崇拝の対象とされていた。