島根半島の北方約40〜80kmに位置する「隠岐諸島」の4つの有人島は、日本で9地域しか選ばれていない「ユネスコ世界ジオパーク」に登録されている。

 今回、筆者がはじめて隠岐諸島を訪問して、日本離れした雄大な景観や、おいしい海産物にお酒、のんびり生活する人々と…… すっかり隠岐の離島ファンになってしまった。

 そんな知る人ぞ知る観光地である隠岐諸島で、まるでアイルランドの有名観光地にいるかのようなダイナミックな景観を楽しめる2大絶景スポットのハイキングを紹介する。

■隠岐諸島の島前・島後とは?  アクセス方法は?

 隠岐諸島は180もの小さな島からなる群島で、主に人が暮らしているのは4つの島。島後水道を境に「島後(どうご)」と呼ばれる大きな円形の島と、「島前(どうぜん)」と呼ばれる3つの島「西ノ島・中ノ島・知夫里島」に分かれている。

 アクセスは航路・空路の2パターンあり、フェリーを使う場合は、島根県の七類港、もしくは鳥取県の境港から隠岐諸島の4島へ渡ることができる(フェリーは約2時間30分、高速船約1時間)。島後には「隠岐世界ジオパーク空港」があり、大阪の伊丹空港、または島根県の出雲縁結び空港から日本航空(JAL)直行便が飛んでいる。

 島前の3島間の移動は「内航船」を利用するのが便利で、頻繁に運行している小型フェリーで数十分で移動できる。

■ユネスコ世界ジオパークの2大絶景スポットを歩こう!

 ユネスコ世界ジオパークに登録されているのは、4つの有人島の陸域と、海岸線より1kmの範囲内である。地球の火山活動・地殻変動の影響を受けて、島根半島と陸続きになったり離れたりを繰り返しながら、約1万年前に現在の離島の姿が形成された。

 そんな変化に富んだ大地の成り立ちから育まれた「独自の生態系」や「人々の営み」が評価され、2013年にユネスコ世界ジオパークに認定されたのである。

 隠岐諸島にはさまざまな観光スポットがあるが、ユネスコ世界ジオパークの珍しい地形を肌で楽しめる、おすすめ2大絶景スポットのハイキングを紹介する。