いよいよスキーシーズンも終盤を迎えようとしている。しかし、スキー場が終了してもまだ山には雪がいっぱい残っている。北海道・札幌近郊も近年まれに見る降雪に恵まれ、標高が低い山でも十分すぎる積雪に覆われたために、藪もまだ雪の下に隠れている。古き良きクラシックルートが存分に楽しめるシーズンはまだまだ続く。

■札幌近郊はクラシックルートの宝庫!

百松沢山に登るとさらに奥に続く札幌の裏山が見える。手前には烏帽子岳

 雪国である北海道のスキーツーリングの歴史は古い。海抜0mから積雪があり、低山であってもしっかりとした積雪に恵まれるため、札幌近郊の山々でいくつものスキーツアールートが開かれていた。

 スキー場が開発されたことで賑わう手稲山以外にも、百松沢山、シルバーザッテル、砥石山に迷沢山など、札幌市内に隣接した山々でスキーツアーが親しまれていた。そこから多くのクラシックルートが生まれた。

 最近はスキーよりスノーシューで歩く人に人気の山々でもある。これらの山々は「琴似発寒川」の源流域に連なる山なので、アップダウンを繰り返すとひとつなぎに縦走することも可能だ。その距離はぐるりと一回りすれば50kmを越えるロングルートにもなる。

■久々にスキーツーリングを満喫できる春!

低山でも吹きだまりのオープンバーンは所々に。北斜面の雪はしばらく残る

 そんな古き良きツアールートも、昔ほどスキーヤーは多くはない。パウダースキーブーム、滑り重視になった用具の変化など、理由はいくつもあるが大きな理由の一つに雪不足というのもある。小雪が続き、融雪が早まることで藪が育ちすぎてしまい、低山ではスキーに適したオープンスペースが年々減少している。このため、滑走はおろか、歩行も困難になるようなシーズンが続いていた。

 しかし、今年の札幌は近年まれに見る降雪に恵まれ、低い山々も十分すぎる積雪に覆われた。スキーには邪魔だった藪も雪の下に隠れ、古き良きクラシックルートが存分に楽しめるシーズンとなったのだ。