初めての川での釣りは、期待と不安が入り混ざった特別なもの。果たして魚はいるだろうか?  釣れるだろうか? 「釣れる=いい川」と(自分の腕前を脇において)、その川の印象を決定づけてしまう。

 満開の桜を愛でながら、利根川水系の支流でヤマメとイワナを狙ってみた。

■ポイント選びは入念に! 外した? 朝イチの釣り

 まだ薄暗い朝一番。慎重に場所を吟味しながら川沿いを見て回り、まずは上州漁協の放流箇所であるポイントで竿を出してみた。前回の放流から一週間ほど経っている。きっとスレているだろうが、魚はいるはずだ。

川べりの桜が満開で美しい里川の景色。これで魚が釣れれば最高なのだが……

 朝イチで先行者なしだったので不安だったが、流れの雰囲気はいい。釣りを開始するとすぐに他の釣り人も前後にポツポツと入ってきた。どうやら間違いのないポイントだったようだ。

 だが、まったく反応がない。なんて思った瞬間、目の前で魚が跳ねた。サイズもいい……。気を取り直し、車に乗って一気に上流部へ移動した。

■上流へ! そこはポイントの宝庫だった

上流部は山岳渓流の趣き。周囲の木々もまだ芽吹いていなかった

 深い谷間を流れる渓谷。高低差もあって程よい落ち込みが連続している。山岳渓流の趣きだ。ときおり魚の溜まっていそうなプールもある。まさにポイントの宝庫!

 いいイワナがいそうだと思っていたら、いきなりヤマメが釣れた。卵か稚魚放流(※1)した魚が成長したのだろうか。小ぶりなサイズながら美しい魚体に精悍な顔つき。ヒレは鋭く発達している。嬉しい!

※1 漁協が魚を放流する場合、(発眼)卵、稚魚、成魚などの状態がある。成長までに時間がかかり河川環境にも左右されるが、卵から育った魚は一般的に野生味がある。