■石積みピラミッドは奈良時代の仏塔?

石積みピラミッドそれぞれの面は東西南北を向いている

 遺跡は、方形の基礎の上に3段の石積みが重なっている。高さは3.5m、基礎部分は約12m四方。それぞれの面はきっちり東西南北を向いている。中央には石室があり、陶製の筒型の容器が納められていたという。

 築造されたのは奈良時代前期と考えられており、仏塔として使われていたと考えられる。もっとも、はっきりとしたことはわからず、地元教育委員会もホームページで「奈良時代の仏塔と考えるのが適当なようです」と記載しており、断定には至っていないようだ。

 日本に仏教を伝えた朝鮮半島の百済の遺跡や、中央アジア・タジキスタンの遺跡との類似性を指摘する説もある。

展望台から小豆島方面への眺め

 遺跡のすぐそばには展望台があり、麓の町並みはもちろん、遠く瀬戸内海、小豆島を望むことができる。509mの最高地点は遺跡北側の熊山神社にある。近くには樹齢千年の杉の木もあるので、併せて訪れてみてはいかがだろうか。ちなみに二等三角点(507m)はさらに北東に外れた電波塔の近くにある。

 熊山は麓から峠越えの車道が延びており、車でも行くことができる。しかし言うまでもなく、自然を味わいながら歩いて登頂したときの気分は格別だ。女性のハイカーも多く、多くの人が山歩きの魅力を楽しむことができるフィールドだ。ちなみに、自転車でヒルクライムを楽しむ人もいるので、愛好者はトライしてみてはいかがだろうか。

●熊山

住所:赤磐市奥吉原