北信州・野沢温泉は、バラエティ溢れるコースを誇るスキー場が有名だが、スキー・スノーボードなどのアクティビティをしない人にもおすすめしたい旅行スポット。野沢温泉スキー場にほど近い温泉街では、外湯めぐりやグルメ、お土産選びを楽しむことができる。

 本記事では、10年以上の間、毎年野沢温泉に訪れている「野沢ファン」の筆者が、おひとり様からファミリーまで幅広く楽しめるスポットを紹介する。

■風格ある木造湯屋建築「中尾の湯」

共同浴場の中で一番の大きさを誇る木造湯屋建築「中尾の湯」(出典:https://nozawakanko.jp/about/hot_spring/sotoyu/)
中尾の湯の泉源地でもある「麻釜(おがま)」。90度近い熱湯が湧出し危険なため観光客は立入禁止だが、柵の外から見ることができる

 野沢温泉街には、天然温泉掛け流しの共同浴場「外湯(そとゆ)」が13か所点在している。「湯仲間」という制度によって江戸時代から守られてきた歴史があり、周辺住民が電気代の負担や毎日の清掃など、維持管理を行っている。

 外湯は観光客にも無料で解放されているが、入る際には「地元の人たちの共同の生活場所を利用させていただく」意識を忘れずに。感謝を込めて、設置されている賽銭箱に寸志の寄付をしたいものだ。

 筆者おすすめの「中尾の湯」は、13か所の中で一番大きい木造湯屋建築。村指定の天然記念物で、90度近い熱湯が湧出する泉源地「麻釜(おがま)」から引湯されている。時間帯や先客の有無によっては、お湯は「45度以上あるのでは」と感じるほど熱い。地元の方はこの温度に慣れているため、水を注いで冷ますことは極力せず、熱々の温泉を楽しむのが一般的だ。

 熱くてなかなか湯船に入れずにいると、地元の方が入るコツを教えてくださり、そこから会話が広がって交流を楽しめることも。村民との交流を楽しめることこそ、外湯の一番の醍醐味だと感じる。