4年に1度の冬季五輪が開催される冬がやってきた。双葉社より発売中のスキー専門誌「BRAVOSKI」より北京オリンピック直前情報の中から、フリースタイルスキーに限定した観戦ガイドを連載でお届け。第4回目は、「エアリアル」について。繊細な駆け引きが勝負を左右するエアリアルは、高いレベルでの優勝争いになるだろう。
■お家芸の中国とロシアのメダル争いになるか
先の東京五輪で、卓球、競泳、柔道、陸上など男女混合の種目が増えたのをご記憶の方も多いだろう。その流れが冬季五輪にもあり、北京からエアリアルの混合団体が行われる。エアリアルはこれで2種目となる。
ページ下に昨季のW杯総合、世界選手権の上位リザルトを掲載しているが、留意したいのは、これが世界の頂の全容ではないということだ。というのも、昨季はエアリアルをお家芸とする中国勢がコロナ禍の影響で世界大会に出場しなかったのである。
たとえば、男子は‘21季のW杯総合と世界選手権の両方を制したマキシム・ブロフ(RUS) が有力な金メダル候補であることに変わりはないだろう。しかし、姿を消していた中国勢が地元五輪でのメダル獲得を目指してレベルを上げているのは確実であり、台風の目となることが考えられるのだ。
■毎回異なる技を飛ぶ必要があるエアリアルの駆け引き
エアリアル観戦において覚えておきたいのは、単に高く飛び、難しい技を完璧に決めることだけが求められるのではなく、駆け引きも重要だという点だ。
現在、男子の最高難度の技は3回転5回ひねりであり、その妙技は他のフリースタイルのエアトリックとは違った凄みがある。ただし、毎回異なる技を飛ばなければならないルールがあるため、この技は【決勝3】に温存されがちだ。結果的にそれに続く難度の3回転4回ひねりを(別の技だとみなされる)様々なバージョンでこなせる選手が強いのである。
ただし、【決勝1】ですでに高得点を出し【決勝3】の進出が確定しそうな選手が、【決勝2】で3回転5回ひねりを飛び、【決勝3】で完成度の高さを追求して3回転4回ひねりを飛ぶという展開もありえる。
■試合スケジュール
●2月10日(木)
19:00 エアリアル混合団体
●2月13日(日)
19:00 女子エアリアル予選
●2月14日(月)
19:00 女子エアリアル決勝
●2月15日(火)
19:00 男子エアリアル予選
●2月16日(水)
19:00 男子エアリアル決勝
【BRAVOSKI 2022 vol.3 より再編集】