■ヘリでの荷上げは「天候が勝負」

小屋で下ろし荷の準備。ガスボンベは空っぽでも重い…空っぽでも50kg近くある

 光岳小屋は休業中なのだから、ヘリで荷上げするほどのものなんてないでしょ?  と思われる方もいるだろう。しかし、休業中の山小屋でも必要なものは以外に多い。

 今回は、バイオトイレで使用する燃料や外壁塗装に使用するペンキ、登山道整備のために使う木材などを荷上げした。それから、荷上げ後には上で作業をしなければならないので、私たちスタッフが山中に滞在するための食材30kg(5人×予備日含めて10日分)も必要。

 作業総重量は、1,800kg(600kg×3便)までがMAXとなる。日程は夏でもよかったのだが、例年、秋のこの時期は高気圧で乾燥した空気が上空を覆うので、天候が安定していそうだなと思ったのだ。ここ数年は長雨が多く、夏は異常に暑くて、なんだか「例年はこう」みたいな感覚が頼りにならなくなってきたけれど。まあ、「秋晴れ」という言葉もあるくらいだしね。

 ヘリの荷上げは天候に左右される。その日の天気の様子で、荷上げができるかどうかが決まるのだ。雨だったらできないし、ガスが出ていたり、晴れていても風が強くても待機になってしまう。難しいのは、下の町が快晴の好条件であっても山の上には風があったり、視界が悪いと飛べないということ。

 前管理人原田さんは「毎年6月末に荷上げを行っていたけれど、1週間から10日ほど待機になることだってあったぞ」とおっしゃっていた。ヘリの予定が伸びると、その後の作業日程もズレるから多めに食材を用意した。