■「大文字」は山頂にあらず?

 のんびりペースで小休止を挟みながら歩いて、スタートから1時間40分ほどで大文字山の山頂に到着しました。

 山頂はベンチのある広場になっていて、木々が適度に日光を遮ってくれるので休憩には最適。実際、何組かのハイカーがお互いに距離をとりつつ休んでいました。眼下に京の街を見下ろしながら、こちらもエネルギー補給を、とベンチに腰かけて行動食を。時折吹き抜ける風に汗も引っ込みます。

広々とした大文字山山頂

 休憩をとってもまだ朝の7時半。ここからは下るばかりなので気も楽です。とつとつとリズムよく歩けば、20分もすると次の名所、「大文字の火床」に到着します。むしろ山頂よりもここがコース一番の見所ともいえるかも。

大文字火床からの眺め。遮るものなく京の街を一望できます

 毎夏京都で行われる「五山送り火」をテレビや雑誌で見たことのある人は多いと思いますが、その「大」の字を現す松明を燃やすのが火床です。

 京都の街なかから送り火が見えるということは、火床からも街が見渡せるということ。ひらけた山の斜面からは京の街が一望でき、遠くには大阪の高層ビル群も。まさに絶景です。ランドマークとなる京都タワーや平安神宮の大鳥居を眺めつつ、かつて京に都があった時代の景色を想像したりするのも楽しいものです。

街の先に見える“西山”のコースにも興味が湧きます

 眺望を堪能した後は、さらにコースを下ります。ここまで来ると、火床に向かって登ってくるハイカーもちらほら増えてきました。なかには犬の散歩がてら歩いている人もいて、地元の方にも愛されているコースなんだと実感します。たくさんの人が歩いている道なので、広くて歩きやすく、特に危険な箇所もありませんでした。

かなり広くて傾斜も緩やかな登山道
銀閣寺側の登山道入り口の地図で歩いた道を振り返ります

 登山道が終わり、舗装路に出ると、すぐに銀閣寺(慈照寺)前に出てきました。開門前の銀閣寺前を、本日のゴールとしました。到着8時半。気持ちの良い始発ハイクでした。

早朝の銀閣寺。まだ開門前でした