日帰りで気楽に山を歩こう! 山をこよなく愛する人気女優・釈由美子さん(43)をガイド役に迎え、初心者のための日帰りから始める、”山歩き”のハウツーをお届けしたい。今回はまず、「登頂を目指すことだけが山歩きではない」というお話から。

【PART1】

■撮影の中日にもわざわざ登りに!?  山が釈由美子をそこまで惹きつける理由

幼い頃から3000m峰に登っていた釈さん

2021年公開映画『ロックダウン・ホテル/死・霊・感・染』に主演するなど、女優として多忙な日々を送る釈さんは、また一児の母でもある。一方で彼女は、富士山、奥穂高岳など3000m峰に楽々登る本格登山愛好家。山小屋に泊まり、複数の峰を縦走することもあるという。

 「私にとって山は、達成感や自己肯定感、そして大自然の中で”チャージ”している感覚を得られる大切な場所です。撮影中にたまたま1日オフがあったら、わざわざ登りに行くこともあるんです」(釈さん)

 山には、人気女優をここまで惹きつける魅力がある。日常では味わえない極上の体験が待っているからだ。ただし、常にリスクが潜んでいるという側面も。初心者や、「若い頃にはよく登った……」という中高年の無理は禁物である。「昔、山に登られていた方が久しぶりに2000m峰に挑まれて、ケガをなさった……といった話は、よく聞きます」(釈さん)

■まずは日帰りで、自然の中を歩く気持ちよさを再確認しよう

釈さんもお気に入り、首都圏日帰り圏内の金時山(1212m)。富士山の絶景を望める

 釈さんは、本格的な登山への第一歩として、”日帰りでの山歩き”からスタートすることを勧める。「首都圏なら高尾山、金時山、御岳山など、日帰り圏内に初心者でも登りやすい山はいろいろあります。私もときどき登りますが、初心者の方やブランクが長い方は、体力と相談しながら低山にまずトライしてみるのがいいと思います」

 まずは、自然の中を歩く気持ちよさを再確認してみよう。登頂を目指さなくてもいい。一方で彼女は、こうもつけ加える。「ただ、低山であっても、経験の浅い方が1人で登るのはNGです」

 国内外で活躍する山岳写真家で、信州登山案内人でもある杉村航氏にも話を聞いた。「釈さんのおっしゃる通りです。もし、身近に経験者がいない場合は、高低差が少ないハイキングコースを歩くことから始めてみるのも1つの方法です。それなら観光に近い世界なので、家族や友達を山歩き仲間に引き入れやすく、一緒に経験が積めるからです」

 また、杉村氏は別の提案もする。「低山でなくても、ある程度の標高までゴンドラやロープウェイで上れて、その先に歩くコースがあるようなフィールドもいいと思います。夏でも、紅葉シーズンでも、標高が高い所でしか見られないプライスレスな美しい眺望がありますから」

 山歩きデビューの場として、夏~秋のスキー場もオススメだ。多くのスキー場が、リフトやゴンドラの終点駅から手軽なハイキングコースを設定しているからだ。ほとんどが本格装備がなくても楽しめるので、体力や足腰に自信がない人はまず、そこから始めてみよう。

 「白馬岩岳(長野県)にある、『ねづこの森』という木々の中を歩くコースには、子どもを連れて行きます」(釈さん)

 「同じく長野県にある栂池高原には、ゴンドラとロープウェイでアクセスできる『栂池自然園』という湿原を歩ける環境があり、特に初心者の方にはオススメです」(杉村氏)

ゴンドラやロープウェイを利用すれば一気に標高の高い地点に。
写真は白馬岩岳マウンテンリゾート(長野県)