■山の一日を温泉で終える「煙草屋旅館」

木造の建物が印象的な「煙草屋旅館」

 鳥居をくぐって下っていくと、木造の煙草屋旅館が見えてくる。三斗小屋温泉は、1142年(康治元年)に発見されたと伝えられる歴史ある温泉だ。江戸時代には関東から会津へ向かう人々や、那須の山岳信仰の行者などでにぎわったという。

 なお、煙草屋旅館は完全予約制で、営業は例年4月中旬〜11月下旬(2026年9月時点)。紅葉シーズンは早めの予約が必要だ。

 14時半過ぎ、煙草屋旅館に到着。受付を済ませ、荷物を置いたら、さっそく温泉へ向かう。煙草屋旅館では、源泉の異なる3つの温泉を楽しめる。夕食前には内湯と、隠居倉の途中から引湯した源泉を使う露天風呂へ。この日は霧が多く満天の星を見ることはできなかったが、一日歩いたあとの温泉は心地よかった。

煙草屋旅館の夕食。敷島牛の陶板焼きや鮎の甘露煮などが並ぶ

 夕食には、敷島牛の陶板焼きや鮎の甘露煮などが並び、山小屋での夕食をゆっくりと堪能した。食後には川底から湧き出る源泉を使った鉛色の「あかゆ」へ。冷え込む山の夜に温泉で体を温め、一日を終えた。

■姥ヶ平の紅葉を歩く2日目

ひょうたん池へ続く木道。色づいた木々の中を進む

 翌朝、三斗小屋温泉を8時半頃出発し、姥ヶ平へ向かった。昨夜の霧と朝露で登山道は濡れ、落ち葉の積もった下りは滑りやすい。足元を確かめながら、慎重に下った。色づいた木々の中を進み、「ひょうたん池」へ立ち寄る。ここは、前日に茶臼岳から見下ろした姥ヶ平にある池で、晴れていれば水面越しに茶臼岳を望める人気のスポットだ。

 分岐からひょうたん池までは木道が整備されている。霧のため茶臼岳は見られなかったので、来た道を戻り、さらに進むと開けた姥ヶ平に到着した。晴天とは違った霧をまとった紅葉の風情を存分に楽しんだ。

 姥ヶ平から牛ヶ首までは約25分の登り。自分のペースで登りきると、その先はロープウェイ山頂駅まで緩やかな下りが続く。この頃には天候も回復し、日差しの中に広がる紅葉や関東平野を望むことができた。

ロープウェイの中から色とりどりに染まった山を眺める

 最後はロープウェイに乗り、色とりどりに染まった山を眺めながら下山。紅葉の中を歩き、山深い温泉で一夜を過ごした1泊2日。秋の那須岳を存分に味わう山旅となった。

 那須ロープウェイは天候によって運休することもあるため、事前に公式ホームページで運行状況を確認しておきたい。また、那須岳は現在も活動を続ける活火山のため、登山前には最新の火山情報を確認しておきたい。

 

●【MAP】那須岳

 

【那須ロープウェイ山頂駅から朝日岳・隠居倉経由、三斗小屋温泉周回コース】所要時間

■1日目

山頂駅(0:00)→ 茶臼岳(0:45)→ 峰の茶屋跡(1:15)→ 朝日岳分岐(1:50)→ 朝日岳(2:00)→ 隠居倉(2:35)→ 三斗小屋温泉(3:10)
歩行距離:約5.6km
累積標高差:登り 5410.5m、下り 7643.8m
合計所要時間:3時間10分

■2日目
三斗小屋温泉(0:00)→ 沼原・姥ヶ平分岐(0:20)→ ひょうたん池(1:17)→ 姥ヶ平(1:27)→ 牛ヶ首(1:52)→ 山頂駅(2:22)
歩行距離:約5.1km
累積標高差:登り 527.4m、下り 304.1m
合計所要時間:2時間22分

●施設名 那須ロープウェイ

住所:〒325-0301  栃木県那須郡那須町大字湯本字那須岳215
電話:0287-76-2449

ホームページURL https://www.nasu-ropeway.jp/

※営業日時はホームページよりご確認ください

●施設名 三斗小屋温泉 煙草屋旅館

住所:〒325-0111  栃木県那須塩原市三斗小屋温泉
電話:090-8589-2048(営業期間中 7:00~20:00)、0287-73-4567 (冬季閉館中及び休館日 12:00~20:00)

ホームページURL https://www.tabakoyaryokan.com

※営業日時はホームページよりご確認ください

※この記事の情報は2026年10月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。