「もう3月だし、昼間の山なら暖かいだろう」 そんな軽い気持ちで出かけた“春キャンプ”が、まさか極寒体験になるとは思いもしなかった。

 筆者がキャンプに行ったのは3月下旬。前日の天気予報は晴れ、愛知県の山間部の気温は最低5℃予報。「これなら余裕だ」と、ダウンジャケットも持たずにマウンテンパーカーという軽装で出発したのが間違いの始まりだった。

 現地に着くと、春めいた山の景色があるかと思ったが、一面枯れ木の山の景色……。予報は晴れだったのに空はみるみる曇って雪が降り始め、焚き火で暖を取ろうとしたが雪で薪が湿気ってしまい着火しない。

 夜には0℃付近の気温の中、電気毛布や湯たんぽなど持参した暖を取れる物をフル稼働して、ありったけの防寒着を着込んだまま、靴下も履いて寝袋に潜り込んだ。それでも寒さで何度も起きてしまう長い夜を過ごすことになったのである。天候や気温など、山では天気予報通りにいかないことを、身をもって知る体験になった。 

 今回はこの痛い失敗から学んだ、春キャンプで暖かく楽しむための3つの対策を紹介する。

■対策1. 上の服は4枚重ねが基本、下の服はスノーウェアや雨具で風を遮断

日中はマウンテンパーカーを脱いで調整する

 まず気をつけたいのが、服装選び。最も重要なのはレイヤリング(重ね着)だ。気温が上がる日中は設営などをしていると汗ばむこともあるが、日が沈むと一気に冷え込む。汗冷えを防ぐためにも、肌に触れるインナーは吸湿速乾性のあるものを選ぼう。

 筆者の基本スタイルは、インナーの上に裏起毛のスウェット、その上にユニクロのボアフリース、そして最後にマウンテンパーカーを羽織るという4枚重ねだ。これなら気温に合わせて着脱しやすく、体温調節が行いやすい。

 下の服は重ね着しづらいので、強風や雪に見舞われたときに備えたい。おすすめなのが、スノーウェアやレインウェアのパンツである。これらは防風の役割をしてくれるため、履いているパンツの上から重ね履きするだけで体感温度が変わる。

 防寒着は冬仕様をベースに、1枚の厚着で済ませるのではなく薄手の服を重ねて温度調節をするのが正解だ。

■対策2. 電気毛布とストーブで朝晩は暖を取る

ホットカーペットで作る簡易こたつと石油ストーブはマストアイテム

 次にどのくらいの暖房器具が必要か迷うところだが、冬の家の中と同じレベルで準備していくとよい。特に朝晩はテントの中でも白い息が出るほど冷え込むため、熱源の確保は必須だ。

 家庭で使っている石油ストーブや電気ストーブがあれば、天候に関わらずテント内を暖めることができる。テント内での火器使用は一酸化炭素中毒の危険があるため、必ず一酸化炭素チェッカーを併用しよう。

 さらに、お座敷スタイルでホットカーペットとラグを敷き、その上に手持ちの毛布を掛ければ簡易こたつの完成だ。足元が温まると体全体がポカポカしてくる。

 就寝時の寒さ対策も重要だ。筆者は電気毛布を敷いた上に寝袋を置き、さらに寝袋の中にインナーとして毛布を入れている。足元には直火対応の鉄の湯たんぽを入れれば完璧だ。鉄製は保温性が高く、朝まで温かさが持続するので、凍えることなく朝を迎えることができる。