■ミニベロのネガティブに正面から向き合う

 数え切れないほどの島影の先に淡く霞む広島の山並みなど、しまなみ海道サイクリングでしか味わえない絶景のなかを走りながら感じたFCXの第一印象は、「クリアで濁りがない」ということ。

 折りたたみ自転車につきもののガタつきがないため、ノイズがなくスルスルと加速する自然な乗り心地でいつまでも漕いでいたくなるような楽しさなんです。

フォークの可動部は精密に仕上げられているので、走行時には折りたたみであることを感じさせないスムーズさ。固定には安全性の高いロックプレート式を採用している

 ミニベロは文字通り一般的なロードバイクより車輪が小さいため、比較的不安定という大きなデメリットがあるのも事実。ですがFCXはタイトなコーナーやふらつきやすい路面のギャップを乗り越える際も自然なフィーリングで走り抜けていくことができます。

レース用フレームレベルの精密さで製造される

 同社の創業者である廣瀬将人代表によるとFCXの大きな特長は、「フレームの加工精度の高さ」にあるといいます。設計した数値と実際のフレームとの公差(誤差)はわずか±0.5mm。

 一般的なロードバイクが公差2mm程度といわれているので、ミニベロでは類を見ないほどの高い精度が、FCXに安定感と雑味のない乗り心地を与えているようです。

車体色は230色の中から選ぶことができる。写真の「匠瀬戸内ブルー」は、瀬戸内海の海の色からインスパイアされたもの

 またFCXは一般的なミニベロと同様に、車輪が小さいぶん剛性が高いため、漕ぎ始めの加速性に優れます。

 その一方で、フレームに細くて薄いクロモリ鋼パイプを組み合わせることで、路面からの衝撃は綺麗に丸めてくれるという印象。なおかつ力強く踏み込めばどこまでもスムーズに加速していきます。

 トップスピードへのノリの良さもさることながら、常用速度域のペダリングがとにかく快適なので、のんびりと長時間走りたい筆者のようなエンジョイサイクリストにも最適な車体といえそうです。

慣れれば数十秒で折りたたみ&展開が可能。旅自転車としても人気の理由だ

 ミニベロのデメリットに正面から取り組み、高い精度と設計でこれまでにない世界を見せてくれるFCX。

 ロードバイクは人力で移動する乗り物の最高峰の一つだと思いますが、自分のペースでいつまでも走っていたくなるような、噛めば噛むほど味がでてくる“スルメ系自転車”とでも表現したくなる高性能は、ライフステージが変化しても長くつきあえる相棒になってくれそうです。

 完全受注生産となるFCX。最新ロットは2026年4月13日まで受け付けているので、詳しくは最寄りのディーラーかウェブサイトでご確認ください。

商品情報
Tyrell FCX

仕様・価格
ドロップハンドル(SHIMANO105仕様):55万3300円(税込み)
ドロップハンドル(コンポレス仕様):46万3100円(税込み)
※他の仕様もあり

適合身長
XS サイズ:145〜165cm
MS サイズ:160〜175cm
ML サイズ:170〜185cm
※各サイズともに許容最大重量 85kg

オフィシャルサイト
https://tyrellbike.com/
取扱ディーラー
https://www.tyrellbike.com/store-list/