近年、車中泊がすっかり定着しているが、「具体的に何が魅力なのか」「キャンプと何が違うのか」「特別な道具が必要なのか」といった疑問を抱えている方も多いのではないだろうか。
キャンプ歴30年の筆者だが、現在はDIYした車中泊仕様車をベースに、キャンプとのハイブリッドを楽しんでいる。今回は筆者の車中泊の過ごし方を紹介したい。これから車中泊を始めたい方や興味を持っている方に、その楽しさを存分に感じていただけたら幸いである。ぜひ参考にしていただきたい。
■車中泊は自由を満喫できる手軽な非日常体験

まず一般的に車中泊の大きなメリットとしては、宿泊費を大幅に抑制できること。ホテルや旅館の予約に頭を悩ませることなく、他の事に多く予算を充てられるのだ。長期旅行や連泊なら特に効果的である。
また、車中泊なら家族の一員であるペットといつでも同じ空間で過ごせるため、互いに安心感が得られ、旅の思い出をより一層深めてくれる。
宿泊先の予約が不要なので、思い立ったらすぐに出発できる自由さと身軽さも大きい。そしてキャンプやBBQといったアウトドアアクティビティと合わせやすく、自然を身近に感じやすいといえる。
一方、デメリットとしてあげられるのは、夏の暑さ対策(扇風機&換気と虫)や冬の防寒対策(寝袋や電気毛布など)が不可欠なこと。また、オートキャンプ場やRVパーク、車中泊スペースのある道の駅といった認められた場所でしか車中泊はできないため、宿泊スポットの事前下調べが必要となる点である。
●車中泊は自分だけの秘密基地

主にソロで過ごす筆者にとって車中泊の醍醐味は、移動する秘密基地であること。普段使いの車が、宿泊施設へと変貌する瞬間は、子どもの頃に憧れた秘密基地を現実に手に入れたような気分である。好きなものを持ち込み、空間をカスタマイズできるのは、車中泊ならではの大きな魅力だ。
車中泊は、誰にも邪魔されない自由な空間。ホテルや旅館のように周りを気にする必要もなく、自分のペースで、自分の好きなように過ごせる。窓の外に広がる景色を時折眺めながら読書したり、音楽を聴いたり、うたた寝して過ごしたり。日常の喧騒から解放され、心ゆくまでリラックスできるのは、何物にも代えがたい時間である。
●車中泊はその場所そのものを楽しむ旅のスタイル

今回の宿泊地は、神奈川県で人気の無料キャンプ場。週末ともなれば日帰りBBQやキャンパーで賑わう場所である。
キャンプではテントを設営したら撤収時まで動かないのがほとんどだが、車中泊の場合はまさに「動くテント」、フリーサイトのキャンプ場内で好みのロケーションを探して動くことができる。例えば、朝は川のすぐ近くでせせらぎを聞きながら朝食を楽しみ、日差しが強くなった日中は、大木の陰で涼風を感じながらの読書とうたた寝、といった過ごし方も可能だ。
移動はもちろんキャンプ場内に限らずだが、誰にも気兼ねなく、ただ「気持ちいい」と感じる場所を転々としながら、好きな時間を費やせる贅沢な空間がそこにあるのだ。

車中泊は、ただ泊まるだけでなく、その場所そのものを楽しむ旅のスタイル。気になる場所へ気軽に立ち寄り、美しい夕日を眺めながら過ごしたり、今まで知らなかったさまざまな土地の魅力に触れる機会も増えるだろう。
■テントいらずで楽しむ車中泊×キャンプの魅力を紹介

筆者にとっての車中泊は、単なる宿泊手段ではなく、キャンプの延長線上にある自由気ままな旅のスタイル。チェックインの時間など気にせず行きたいところへ気の向くままに、である。
テント設営の手間がないからこそ、時間や場所に縛られることなく、その時の気分で最高のロケーションを求めて移動できる。そんなフットワークの軽さが旅の選択肢を広げ、より深い体験をさせてくれる。