■青貝山の魅力

吉川峠の分かれ道。青貝山へは真ん中の道を行く
青貝山登山道入口
トンボ池への分岐

 青貝山へは能勢電鉄ときわ台駅や妙見口駅からアクセス可能だ。近隣に駐車場はないため、電車で訪れることをおすすめする。

 青貝山の楽しみ方は人それぞれ。あえて山頂を目指さず、純粋に山歩きを楽しむ人もいる。付近の天台山や妙見山と合わせて訪れる人も多い。

トンボ池
トンボ池。左上の鉄塔が青貝山唯一の眺望スポット
トンボ池に散らばる換毛期のイノシシと思しき抜け毛

 今回筆者は吉川峠からスタート。トンボ池に寄り道してから青貝山へ向かった。このコースはしっかり整備されており歩きやすい。コース前半は集落跡のような場所を抜ける道で、登山というよりは農村を散歩しているような感覚に近い。アップダウンは比較的少なく、全体的に道標が多く設置されている。コース後半は本格的な登山道。途中の鉄塔下が唯一の眺望スポットである。

青貝山唯一の眺望スポットである鉄塔の下
至る所に道標があり安心感がある青貝山

 寄り道したトンボ池は、青貝山へ向かうルートからわずか3分ほどで到着する。トンボ池という名前だが、実際は池というより湿地であり、どちらかと言えば山間の田んぼ跡のような場所だ。「昼寝のためだけに訪れたい」と思わせるほど、のどかな雰囲気が漂っている。訪問時にはまだつぼみであったが、トンボ池の奥にはクリンソウが植えられている。花の見頃は6月頃まで続くとのことだ。

 なお、トンボ池にはイノシシと思われる足跡が多数あり、池の脇には同じくイノシシと思われる抜け毛が大量に散乱していた。換毛期のようだ。

■登山者としての責任と心得

 山火事は、森林資源の損失、生態系の破壊、人命や財産への脅威など、多岐にわたる深刻な被害をもたらす。山火事の主な原因は、たき火や野焼きの不始末、煙草の不始末、伐採した木の焼却など、人為的な要因による可能性が高いと考えられている。

 青貝山山火事の原因となった喫煙についてだが、山での喫煙は法律で一律に禁止されているわけではない。しかし、多くの山域や自然公園では火気厳禁や喫煙禁止といったルールが設けられている。

 ただ喫煙禁止のルールが設けられていない山域や自然公園であったとしても、自由に喫煙してよいというわけではない。必ず灰皿のある場所や、完全に消火できる場所でのみ喫煙し、携帯灰皿を使用して吸い殻を持ち帰ることが基本。当然ながら、他の登山者への受動喫煙の配慮や、煙が迷惑にならないようにすることも重要なマナーだ。日本の山には全て所有者が存在する。我々登山者は、自然の中にお邪魔させていただいているという意識も忘れてはならない。最低限のマナーはしっかりと守るべきである。

 今回は青貝山の山火事跡をレポートしたが、普段の青貝山はのどかな人気スポットである。山火事から復興しつつある青貝山をぜひ訪れ、自然の大切さと、私たち登山者の責任について改めて考えてみてほしい。

 

●【MAP】青貝山