■復路:戦国時代に整えられた東海道

道の駅から東海道までは標識があるので迷いにくい

 静岡市側から藤枝市側へ戻る復路は、戦国時代に秀吉が整えた東海道を歩く。道の駅から東海道への道は標識が備えられているので、迷いにくいのがありがたい。10分ほど歩くと、東海道の入り口が見えてくる。

東海道へ。宇津ノ谷峠は丸子宿と岡部宿の中間地点となっている
蔦の細道に比べて道幅が広く歩きやすい

 戦国時代に秀吉が整え、のちに家康が東海道として整備したこの道は道幅が広く、勾配も緩やかで蔦の細道に比べて歩きやすい。大軍が通り、その後東海道として旅人で賑わったのも納得で、古い街並みが残っているので景色を楽しみながら歩くのがなかなか楽しい。

歴史浪漫を色濃く感じる宇津ノ谷集落を横切って歩く

 この道は東海道の丸子宿と岡部宿の間で、40戸ほどの集落が残っている。この集落に残っている建物は江戸末期から明治にかけての建築物で、歴史浪漫を色濃く感じられるスポットになっている。この集落には、小田原攻めの際に秀吉が立ち寄った建物も残っているので、ぜひその目で歴史の舞台を見てみてほしい。

峠を越えるルートも勾配が緩やかで道幅が広く歩きやすい

 途中、東海道から少し道を離れて迂回路に行くと、明治9年に開通した日本初の有料トンネルである「明治トンネル」を歩くことができる。戦国時代の道から明治のトンネルにタイムスリップするのもなかなか楽しく、迂回しても行程に大きく影響しないのでぜひ立ち寄ってほしい。

迂回路から少し歩くと明治9年に開通した明治トンネル

 明治トンネルは昼間も薄暗く、ぼんやり灯りを灯すライトがまた風情を感じる。トンネルを抜けると元の東海道に戻り、15分ほど歩くとつたの細道公園に辿り着くので、最後まで景色を楽しみながら歩いてほしい。

■平安から戦国まで歴史浪漫を感じる旧道でハイキングを楽しもう

歴史浪漫が色濃く残る宇津ノ谷峠ハイキングを楽しんでみてはいかがだろう

 中世の道から戦国時代の道、明治に開通したトンネルなど、歴史浪漫が色濃く残る宇津谷峠。筆者は藤枝市側からスタートしたが、静岡市側にも駐車場が備えられているので、好みのポイントから歩いて歴史の移り変わりをハイキングを通じて感じてみてほしい。

 まだまだ寒く、登山やキャンプの予定が立てられないこの時期は、静岡の宇津ノ谷峠で歴史浪漫を感じる旧道ハイキングを楽しんでみてはいかがだろう。

 

■蔦の細道・東海道ハイキング駐車場情報

【藤枝側】
・つたの細道公園駐車場
駐車台数:50台程度
料金:無料
利用可能時間:終日

●【MAP】つたの細道公園駐車場

【静岡側】
・宇津ノ谷観光駐車場(土日祝)

駐車台数:10台程度
料金:無料
利用可能時間:土日祝日のみ
5月〜9月は9:00-18:00
10月から4月は9:00-16:00

●【MAP】宇津ノ谷観光駐車場

・タイムズのB 宇津ノ谷峠駐車場
駐車台数:2台
料金:1日500円
利用可能時間:終日

●【MAP】タイムズのB 宇津ノ谷峠駐車場