今冬、最強寒波が到来した2月の初旬、私は青森へ向かっていました。なぜなら青森県十和田市の国立公園の中にある景勝地「奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)」を冬の時期に散策してみたかったから。奥入瀬渓流は、十和田湖が約1万5000年前に決壊したことにより出来た渓流で、決壊の規模が大きく一気に大量の水が流れたことで、人が散策できるような地形(V字ではなくU字)となった場所です。

奥入瀬渓流には「奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート」があり、こちらに滞在しながらこの時期にしか味わえない「氷瀑(※)ライトアップツアー」や「氷瀑スノーシューウォーク」に参加し、存分に冬の奥入瀬渓流を堪能してきました。
※氷瀑(ひょうばく)とは:滝の水が流れ落ちる途中で凍りつき、巨大な氷の塊となったもの

■「奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート」 にチェックイン
青森へは飛行機で行く手段もあるのですが、特に冬の時期は天候に左右されやすい点を考慮し、今回は新幹線を選びました。東京駅から新青森駅まで新幹線で移動し、新青森駅からレンタカーでホテルへ。寒波到来中ということもあり、青森市内もすごい積雪量で道路も真っ白。

気温が低く雪が降っているということは、奥入瀬渓流のあたりはきっと美しい景観になっているだろうと心躍らせながら向かいました。

ホテルに到着し、エントランスのあるロビー階の奥には、岡本太郎がデザインしたという立派な暖炉「森の神話」が特別な存在感を放っています。こちらのラウンジでは景色を眺めつつ、ゆったり過ごすことが出来る素敵な空間です。

今回は渓流に面した「渓流和室」のお部屋をチョイス。シンプルな和モダンの装いで、床が畳なのはやはり落ち着きます。窓辺に大きなソファがあり、窓の外には美しい雪景色と渓流が見えました。


■可愛らしい「こけ玉作り」を体験
夏の時期の奥入瀬渓流では、丸い岩の上に苔が生い茂り、その上に木が立つ姿が多数見られるそうです。その姿を「こけ玉」に見立て、奥入瀬の自然を身近に感じられる「こけ玉作り」をホテルで体験してみました。

まずは先生とお揃いの緑のベレー帽をかぶって、いくつかの苗木から好みの1本をセレクト。

完成したこけ玉は、まん丸で可愛らしく、触ってみるとほわほわです。ホテルから自宅に郵送もでき、育て方も教えてくださったので、現在は

奥入瀬渓流にはなんと300種類もの苔が生息しているとのこと。なぜ
■旅の楽しみはやっぱり温泉! お待ちかねの大浴場へ
お次はみんな大好き温泉へ! 浴室内は天井がとても高く、大きな浴槽が2つあり、ぬる湯とあつ湯となっています。大人数の受け入れが可能なリゾートホテルらしく、洗い場のカランの数も十分。大きなガラス窓からは、外の雪景色も楽しめます。内湯で体を温めたら露天風呂へ。この外の扉を開ける瞬間ってワクワクしますよね。

なんと、露天風呂を囲うように奥入瀬渓流で見られる氷瀑が再現された“氷のカーテン”があるではありませんか。氷瀑と雪景色を交互に眺めつつ、リラックスした時間を過ごせました。朝も大変美しかったのですが、日が落ちた後の紺色の空と一面の白い雪景色、氷瀑の水色のカーテンのコントラストがとても幻想的でした。
※「氷瀑の湯」は、2025年3月24日(月)までの冬季限定
■りんごたっぷり! 夕食はビュッフェレストラン「青森りんごキッチン」で

ビュッフェレストランでは、りんごを使った前菜や地のものをふんだんに取り入れたお料理、デザートがずらりと並びます。りんご果汁100%のジュースも美味しかったのでおすすめ。その場で料理を仕上げるライブキッチンがあり、出来立てアツアツのお料理もいただけます。

前菜コーナーでは、りんごがふんだんに使われているほか、つやつやでトロミのあるサーモンやネギトロ、イカ、とろろなどの具材をお好みでのせられる「のっけ丼」コーナーは、のっけ過ぎちゃうほどに種類も豊富。

ライブキッチンでは「イカとホッキ貝のプランチャ」を頼みました。ぷりっぷりのイカと弾力のあるホッキ貝にグリルしたお野菜がベストマッチ。青森の海の幸を堪能しました。

最後のデザートもライブキッチンで。焼きたてのアップルパイにバニラアイスを添え、あつあつとヒンヤリのマリアージュを堪能。青森の味覚でお腹いっぱいになりました。

■幻想的な夜の「氷瀑ライトアップツアー」へ
夕ご飯を食べた後は、冬期だけホテルで開催している「氷瀑ライトアップツアー」に参加しました。奥入瀬渓流ホテルのある下流域から十和田湖の上流域までは約14kmあり、渓流沿いに車を走らせることができます。ホテルのガイドさんがセレクトした氷瀑のスポットへバスで連れて行ってもらうのですが、この時は約7kmくらい進んだ「馬門岩」と「千筋の滝」でした。

このツアーは、国立公園内で常時ライトアップすることは出来ないため、十和田市と協力し環境負荷の少ない移動型ライトアップを実施しています。バスと一緒に光を照らすための車が並走し、鑑賞時のみライトを当てる形を取っていました。


気温が氷点下だと冷えますが、バスの移動中は寒くなく、鑑賞している間だけ外に出るのでしっかりと防寒していれば問題なし。暗闇の中で照らされ浮かび上がる氷瀑は、昼間とは全く別の表情で幻想的でした。