■リユースショップのメリット・デメリット

新品は本体(1万9800円)と、カバー(1万1000円)で約3万円するが、リユースショップでは1万9000円で販売されていた

 ここでリユースショップのメリット・デメリットを取り上げてみよう。特にキャンプ道具は、カテゴリーも多く使用用途も多岐にわたっているため、選別する際は迷ってしまわないよう注意しよう。

●リユースショップで中古キャンプ道具を購入するメリット

人気のスノーピークのテントコーナー

 中古キャンプ道具最大の魅力は、価格の安さ。例えばスノーピークの「アメニティドームM」は、定価4万2420円(税込)だが、リユースショップでは1万円前後で販売されている。

 少し珍しいギアでも、定価の3割引ほどで状態のよいものが手に入る。あらゆるブランドが展示されているのも、リユースショップならではの魅力の一つだ。

 新品を取り扱うショップは、やはり売れ筋のブランドを主体に販売しているが、リユースショップでは、より幅広い品揃えが期待できる。廃盤・型落ちになった道具も流れやすく、安価で購入が可能な場合が多く、掘り出し物を探す楽しさもあるのだ。

●リユースショップで中古キャンプ道具を購入するデメリット

寝袋コーナーも整然と陳列され比較しやすい

 「新品にこだわりがある」「誰が使っていたかわからないものは避けたい」と感じる人にとっては、リユースショップはおすすめできない。もちろんメンテナンス済みではあるが、寝袋など直接肌に触れる商品は、特に気になる人もいるだろう。

 とりわけテントは実際に設営しないとイメージが湧きづらい道具の一つで、収納されているものを購入するのは勇気がいるかもしれない。また、シムテープの劣化具合やフライシートのベタつきなど、メンテナンス不足による不備も考慮する必要がある。なかには試し張りができるスペースを確保していたり、中身を広げさせてくれるお店もあるので、事前に確認しておくとよい。

 リユースショップでキャンプ道具を探す際は、あらかじめキズや汚れなど自身の中で許容範囲を決めておくことが重要だ。

■リユースショップを活用したキャンプの楽しみ方

お宝が眠っていることも度々あるのがリユースショップの魅力だ

 筆者がリユースショップでキャンプ道具を見ている時、「新品だと結構するんだな」と家族連れのやり取りが聞こえてきた。新品にするか中古にするかで迷っているようだった。

初心者はこのようなキャンプレイアウトが実際に見られると、イメージがわきやすい

 4人家族で初めてキャンプをする場合、リユースショップを利用すれば、高額なブランド品を除き、テント、寝袋、椅子、テーブル、マットなど5万円程度の初期投資で必要な道具一式を揃えることができる。それ以外は都度購入し、最初は無駄な出費と物品を極力抑えるのがおすすめだ。

 キャンプ経験を積んでいくと、新しいものや珍しいものに目移りしがちだが、最初は必要最低限の道具で始めるのが賢明だ。初めてキャンプをする人にとって、リユースショップでのキャンプ道具選びは初期投資を抑えられる効果的な選択肢といえるだろう。

●中古品を買って試す、変化するキャンプスタイルに合わせる楽しさ

LEDライトと言っても、種類はさまざま。選択肢の幅も広がる

 キャンプ経験者にとっても、リユースショップの活用は有益な選択肢だ。例えば、使ってみたい商品があった場合、新品購入ではなく中古品で試してみるという選択肢がある。試して必要なければ、再度売却。このような循環が、リユースショップの大きな特徴であり、魅力なのだ。

 キャンプスタイルは、経験を重ねるごとに変化し、それに伴い必要なキャンプ道具も変化していく。リユースショップを賢く利用することで、そのときにあったキャンプが楽しくなるはずだ。

●ヴィンテージやガレージショップ品を探してみる

ガレージショップ「The Arth」のヘキサテーブルを発見!  価格も通常の半値だ

 各方面から物品が集まってくる点も、リユースショップの魅力。通常、ガレージショップ品は、現地へ出向かないと購入できず、価格も高めだ。ヴィンテージ品は店頭に並んでいないため、探す手間がかかるのが難点。

 しかし、これらの商品を一度に見ることができるのが、リユースショップだ。 さまざまなジャンルの商品が陳列されているため、思わぬ掘り出し物に出会える可能性も高く、宝探しのように楽しめるのだ。

●災害備蓄品としてのキャンプ道具を探す

多くの石油ストーブが並ぶコーナー。防災用品も兼ねて、ぜひ一家に一台用意しておきたい

 近年、災害の備えへの意識が高まり、キャンプ道具も防災用品になるとして注目されている。例えば、電気やガスが止まっても、ランタンやバーナーがあれば灯りや調理に困らない。石油ストーブが一つあれば、万が一寒い時期に災害が起こっても心強い。最近では、スマホなどの充電用にポータブル電源を備える人も増えてる。

 これら防災用品として活用できるキャンプ道具をまとめて購入できるのが、リユースショップ。使用頻度を考えれば、新品でなくとも十分なはずだ。

■リユースショップを賢く活用して、お得にキャンプを楽しもう!

2Fへ上る階段脇のレイアウト。2Fの売り場への期待感を持たせてくれる

 ぜひ、皆さんもリユースショップを訪れてほしい。きっと従来の「中古品」というイメージは払拭され、新品同様の良品に出会えるはずだ。

 ワンランク上のキャンプ道具をリユースショップで見つけられれば、費用を抑えつつ他人と被りにくい道具を揃えることが可能だが、これは複数のブランドをコスパよく組み合わせるうえでも有効な手段となるだろう。

 ぜひ一度リユースショップに足を運んでみよう。きっと時間を忘れるほど、楽しい時間を過ごせるはずだ。