■青春18きっぷはこんな使い方をしてほしい!

冬の北海道ではローカル線の車窓から美しい雪景色がいくつも楽しめた

 都心から出発するなら、LCC便や高速バスなどで思いっきり地方へ飛んでから、青春18きっぷの旅を満喫するのもひとつだ。都心部は地方に比べて運賃が割安に設定されており、新幹線など交通の利便性が高いので、青春18きっぷだけで都心から発とうとすると、楽しさよりも不便さが目立ってしまいがちだ。

 筆者なら、たとえばLCC便で冬の北海道まで飛び、特急列車も走らない、インバウンド旅行客も少なそうな場所から旅を始める。

 「3日間用の青春18きっぷ」を使った具体的なプランはこうだ。まず、新千歳空港から快速エアポートで小樽駅へ。小樽の街並みを楽しんだのち、函館本線経由で余市駅まで移動し、宇宙食が話題となっている道の駅「スペース・アップルよいち」、ウイスキーで有名な「余市蒸溜所」を訪れる。

 函館本線経由で向かう長万部(おしゃまんべ)駅では、名物駅弁のかにめしを食すとしよう。その後、函館本線の砂原支線経由で大沼駅へ。

 大沼国定公園で雪上の白鳥を眺め、大沼名物の団子もいただこう。そして函館本線、室蘭本線を乗り継ぎ室蘭駅へ。室蘭の民族史料館を訪れ、名物の室蘭焼き鳥も忘れず食べ、途中、登別温泉に寄り、車窓からの雪景色に浸りながら、再び新千歳空港へ……。これでちょうど3日間となり存分に楽しめそうだ。

■青春18きっぷで練りに練った旅に挑戦してみよう!

函館本線山崎駅周辺から撮影

 改悪といわれるが、社会の変化に合わせて商品やルールが変わるのは、どの業界でもありえることだ。むしろ、青春18きっぷが改定前のスタイルに落ち着いた1996年以降、燃油価格などが高騰し続ける中で、その後28年も同じスタイルであったことが驚きだ。

 ローカル線の車窓に広がる景色を見ながら、ゆっくり物思いにふけたり旅を味わったりする時間は、青春18きっぷがつくり出してくれる何よりもの贅沢である。冬季分のきっぷは1月初旬で販売終了になったが、2月中旬以降には春季のきっぷが発売開始になるだろう。それまでにぜひ、じっくりとプランを練って、青春18きっぷの旅を楽しんでみてはいかがだろうか。