■クマに遭わないために持つべき緊張感

山に入った際は、クマの痕跡などに十分な注意を払うことも、遭遇しないための1つの方法になるようだ。糞、木の枝の折り跡、樹皮に付けられた爪痕や、特に枯れ葉や土がかけられたシカなどの動物遺体を見つけた場合は決して近づかず、その場から引き返す勇気が大事になる。クマが近くにいる可能性が非常に高いからだそうだ。
本書では、このような「登山者が注意すべき点」をはじめ、クマの生態や事故事例についても述べられている。理解が深まると同時に、山に入る際に持つべき緊張感を学ぶことができる本だ。
熊鈴があれば安心だと考えるのではなく、今回紹介したクマに遭わないための準備や行動をしっかり心がけながら、山を楽しんでいきたいものである。
参考文献:『人を襲うクマ―遭遇事例とその生態』(羽根田治著)
参考文献:知床財団BEAR出会わないために
参考資料:クマ類の生息状況、被害状況等について