■ミラーレス一眼とスマートフォンの使い分け

●【スマートフォン】記録用でサッと撮る

スマートフォンの特徴は、軽量ですぐに撮影でき、データを簡単に共有できる点

 スマートフォンの重量は100~200gで、薄型の本体はポケットから取り出しやすく、すぐに撮影できる。登山道の分岐やどんな景色が見えるかなど、記録として撮影するのにはとても便利だ。

 筆者の場合、ホームコースとして何度も登っている山はスマートフォンを持ち出し、撮影した画像は登山記録を共有するコミュニティサイトにアップしている。

 また撮影データをオンラインですぐに共有できるので、登山仲間と共有したり、SNSで登山道の最新状況を報告するなどにも役立つ。

●【スマートフォン】風景を撮る

 スマートフォンは、細かい設定や撮影者が写真で何かしらの表現をするには物足りなさを感じる。特にミラーレス一眼との性能差を感じるのが、望遠機能だ。被写体に応じて選べるズームや遠景モードなどはついているが、どうしても画質が劣化する。

 しかし、ズームせずに撮る分にはミラーレスカメラと遜色ない一枚が撮影できるので、撮影方法にこだわらなければスマートフォンでも問題ない。

 もしスマートフォンでもズームや遠景を多用したい場合は、風景や動物に対しては2倍以上のズームは使わず、できるだけ撮りたいものに近づいて撮るように心がけよう。

 一点注意したいのが、スマートフォンのバッテリー。撮影しているとバッテリーが早く切れてしまうので、もしスマートフォンを主にたくさんの写真を撮りたい場合は、モバイルバッテリーは必須だ。

●【ミラーレス一眼カメラ】初めて行く山やルートでの出会いを収める

筆者が愛用しているカメラ「OLYMPUS OM-D E-M1 MarkⅡ」

 筆者が必ずミラーレス一眼を持ち出すのは、初めて登る山やルートだ。景色だけではなく、動植物との出会いなど、そこでしか見ることのできない光景をさまざまな角度で収めたくなるため、カメラが必須となる。

 所要時間がコースタイムの2倍になってしまうほど、初めて訪れる山での撮影は夢中になってしまう。撮影を目的とした山行をする場合は、コースタイムより余裕を持って出発するのがおすすめだ。

●【ミラーレス一眼】1泊2日以上の登山でしか出合えない風景を収める

 カメラの出番が多いのが、1泊2日以上の登山だ。日帰り登山は日中の明るい時間での撮影が主だが、1泊2日以上の登山の場合、夜景や日の出など、同じ場所でも景色はガラリと変わり、撮影したい瞬間が増える。また、1泊2日以上の日程を確保して登る機会もそう多くはないので、満足するまで撮影したい気持ちになる。

 筆者は1泊2日以上の登山では、スマートフォンは緊急連絡とログの使用に限定し、バッテリーを節約、ほとんどの撮影はミラーレス一眼で行うよう使い分けをしている。

 注意したいのが、レンズや三脚など機材を持ち込みすぎると、重量増で体力を消費し、バランスを崩してケガのリスクが上がることだ。

 筆者はレンズを広範囲用や近距離用、両者をバランスよく備えた通称「便利ズーム」対応にしたり、三脚もできる限り軽量なものを選ぶなど、機材を増やしても許容範囲に収まるよう工夫している。