■美しい紅葉と沢の流れに癒やされながら歩く鷹ノ巣山登山レポ!
●水根沢コースで清流に沿って進む
水根駐車場に車を停め、トイレを済ませたら約5分ほど先の登山口に向かう。隣り合う六ツ石山(むつしいやま)に向かう「六ツ石山登山口」との分岐があるが、案内板がしっかりと掲示されているので迷う心配はないだろう。
さて、今回使用する水根沢コースは、名の通り沢沿いを歩ける緩やかな道から始まる。ヤマメが棲む清流や、美しい滝の景観を楽しみながら歩くことができるが、沢沿いの道を歩き終えた後半は急登が続く。
●秋登山の醍醐味! 紅葉する尾根歩きで水根山・鷹ノ巣山山頂へ
沢沿いの樹林帯を登り終えると、尾根道に出る。見晴らしのいいポイントもいくつかあるので楽しみだ。その一方でいよいよ急坂が現れ、体力を奪われてしまうので、ペースには気をつけよう。美しい紅葉を見回しながら、ゆっくりと歩くといい。
ほどなくして、倉戸口(くらとぐち)バス停から倉戸山(くらとやま)を経由して、鷹ノ巣山を目指す「榧ノ木尾根(かやのきおね)」と合流する。合流地点から水根山までは20分、もうひと頑張りだ。
水根山は小ピークのため景観はない。ただ、ここから鷹ノ巣山に続く道は開放的な尾根道で、いっそう紅葉が色濃くなり、晩秋には真っ赤なもみじのじゅうたんの上を歩くことができる。
山頂直下にも急登が待ち受けているが、この先には大パノラマ展望が待っているので、頑張って登り切ろう。
●鷹ノ巣山の絶景を堪能して下山路へ
標高差約1,200m、水根駐車場から7kmの距離を踏破した先、鷹ノ巣山山頂のご褒美は一面に広がるパノラマの絶景だ。
鷹ノ巣山の標高は2,000mに満たない1,736mだが、東京の山としては高峰に属し、眼下に奥多摩湖、対面に奥多摩主脈の山々、遠くに丹沢山地や富士山まで見晴らすことができる。
景色を堪能したら、下山に取り掛かろう。経験に応じて、帰路にも選択肢があるのが豊富なコースを持つ奥多摩の山々の魅力だ。
最もポピュラーなのは、鷹ノ巣山登頂後、お隣の六ツ石山を経て水根駐車場に戻るコース。来た道を戻るよりも約4km、時間にして約90分ほど長くなり、しっかりとした登山計画を立てられる経験者向けと言える。
そこで今回は、行きと帰りの道を同じくするピストンコースをおすすめしたい。紅葉の眩しい尾根道を戻り、沢の道では滝や清流とともに下っていく。長く大変だった往路を思い返しながら下山しよう。息を切らしながら登っているときとは違い、足元の草花や木々の合間から覗く景色など新しい発見があることだろう。