奥秩父の山域を代表するのは、雲取山(くもとりやま)や金峰山(きんぷさん)、瑞牆山(みずがきやま)、甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)といった日本百名山に名を連ねる山々だが、最高峰の山は「北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ・標高2,601m)」なのをご存じだろうか。

 今回は北奥千丈岳と、そのお隣の国師ヶ岳(こくしがたけ)に登るルートを紹介する。奥秩父最高峰で標高2,500mを超える山だが、2時間もあれば登って下山できる。難所などはなく、道迷いもしない整備されたコースで初心者も挑みやすいコースだ。

■起点となるのは、標高2,365m・大弛峠(おおだるみとうげ)

 大弛峠は毎年6月上旬から11月上旬の期間で通行できる林道、川上牧丘線の最高地点にある峠で、一般車両が通行できる峠としては日本最高地点となっている。

 標高は2,365mで、北奥千丈岳との標高差は236mしかなく、体力的に厳しい登山者でも短い時間で登れる。

大弛峠の駐車場。トイレも設置されている

 大弛峠は標高が高いため、夏でも涼しく、朝晩は肌寒さを感じるほど。山歩きには快適な気候だ。

大弛峠から北奥千丈岳と国師ヶ岳を登るルート(国土地理院より引用)