■タテヤマリンドウが群生するしろがね草原

しろがね草原

 山頂へと戻り、天馬尾根方面へ歩を進める。稜線沿いの道が続き、体を通り抜ける風が心地よい。稜線沿いからは須川湖や昭和湖、月山(がっさん)などが見え、展望がすばらしい。 

タテヤマリンドウ

 山頂から下って約1時間半でしろがね草原へ到着した。草原のなかには木道が走り、地面をよく観察するとタテヤマリンドウが群生している。一株にたくさん花をつけているものがあり、青い色がとても映える。

■最後のピーク・秣岳

秣岳山頂

 登山開始から約5時間で最終ピークの秣岳(まぐさだけ・標高1,424m)に到着した。秣岳から振り返ると栗駒山が望める。筆者が登ったときは晴れていたが、すでに雲がかかっていた。山の天気の変わりやすさを実感する。

 秣岳を下り、天馬尾根コースの登山口へ下山。須川高原温泉の登山口と天馬尾根コースの登山口間は少し離れている。そのため、あらかじめデポしておいた車に乗り、須川高原温泉へと戻った。

■栗駒山登山の注意事項

 たくさんの高山植物が咲き始める初夏の栗駒山。登山時の注意事項を以下に記載する。

 時期によっては、登山道に雪が残る場合がある。滑落や雪の踏み抜きに注意して歩こう。今回筆者が登った6月中旬は、登山道に雪は残っていなかったが、雪解け水によって沢が増水する可能性もある。沢が渡れなくなることもあるので、雨や気温の情報にも気を配っておきたい。

●須川コースは立ち入り禁止(2024年6月現在)

 須川コースの昭和湖付近にて、高い火山ガス濃度の発生が確認されている。安全確保のため、須川コースの苔花台(たいかだい)~ 天狗平(てんぐだいら)区間は立ち入り禁止になっている。

●分岐に注意

 筆者は今回、栗駒山山頂から天馬尾根コースを下り、須川コースと湯浜コースとの分岐点で道を間違えそうになった。須川コースは通れないように看板がかけられていたが、その真横に天馬尾根コースが続いていた。正規の天馬尾根コースに気づかず、誤って湯浜コースに進むところだった。栗駒山の登山コースは複数あり、分岐点がいくつかある。道を間違えないように気をつけよう。

■栗駒山のフラワートレッキングを楽しもう!

 栗駒山の魅力は紅葉だけではない。初夏には多くの高山植物が咲き、楽しいお花見登山ができる。花々が咲き乱れる栗駒山の美しい景色を、ぜひ自分の目で確かめてみてはいかがだろうか。

上りで利用した産沼コース(国土地理院地図より引用)
下りで利用した天馬尾根コース(国土地理院地図より引用)

登山ルート
須川高原温泉・登山口→(20分)→名残ヶ原→(5分)→自然観察路分岐(苔花台)→(55分)→ 産沼分岐→(55)分→ 栗駒山山頂→(15分)→ 天狗平(須川分岐)→(90分)→ 秣岳 → (45分)→登山口

●【MAP】秣岳天馬尾根コース登山口