岐阜県大野郡白川村には、世界遺産に登録されている白川郷の「合掌造り集落」がある。白川村の発表によると、訪日観光客から人気を集めていることもあり、村を訪れる年間観光客数は世界遺産登録の翌年1996年に100万人を超え、2019年には200万人に達した。
白川村には合掌造りの民宿が多く存在するが、アウトドア好きであれば村でのキャンプも楽しみたいところ。今回はキャンプと白川郷観光を両方楽しめる行程を紹介する。
■自然を満喫できる「さくら街道白川郷 ひらせ温泉キャンプサイト」
「合掌造り集落」から車で20分ほど南下したところに、「さくら街道白川郷 ひらせ温泉キャンプサイト」がある。
フリーサイトとAC電源付きの区画サイトを備えたキャンプ場で、周囲を山に囲まれており、景観は抜群。キャンプ場の脇を庄川(しょうがわ)が流れているので、川の音に耳を傾けながらリラックスして過ごせる。
場内には、清掃の行き届いたトイレが2か所あり、自然を満喫しながら快適に滞在できる。2024年2月末に訪れた際はフリーサイトを利用したが、ほかのテントと十分な距離を保つことができ、ストレスなくキャンプを楽しめた。
おすすめは、キャンプ場で1泊し、翌朝早めにチェックアウトをして車で白川郷に向かうコース。早めに向かうのは理由があるのだが、それは後述する。
■キャンプ飯は「郷土料理や地元の味」で決まり!
白川村には大きなスーパーマーケットがないため、観光がてら高山市で食材の買い出しをしてからキャンプ場に向かうのもおすすめ。高山市からキャンプ場までは車で1時間ほどの距離だ。高山市内のご当地スーパーでは地元の特産品が購入できるので、ぜひ味わってみよう。
白川村では、「合掌造り集落」から車で約5分の距離にある「道の駅 白川郷」に立ち寄りたい。品揃えが充実しているどぶろくは、約1300年前から村の各地区で祭礼に用いられていたのだとか。毎年9月の終わりから10月にかけて、村では「どぶろく祭」が開催されている。
岐阜県の南飛騨地方や奥美濃地方の郷土料理「鶏(けい)ちゃん」は、県内のスーパーマーケットや道の駅で冷凍品にて手に入れることができる。カットされた鶏肉に味がついた状態で売られているため、キャンプ場でも扱いやすい。キャベツと一緒に炒めるのが本場の食べ方だが、玉ねぎなどの野菜と合わせてもよい。味噌味や醤油味などがあり、にんにくが効いていて白米にもぴったりだ。
岐阜の郷土料理「こも豆腐」も食べておきたい一品だ。わらを編んで作った「こも」で豆腐を包み、茹でたもの。ご当地スーパーで購入した味付きのこも豆腐は、口当たりは絹豆腐に近い滑らかさで、噛むと高野豆腐のようにぎゅっと旨味が滲み出てくる。どぶろくと合わせずにはいられない味わいだ。