■オリンピック代表がかかった重要なレース!

 今回の白馬大会は、3月16日(土)にミックスリレーの代表選手選考のための個人タイムトライアルが行なわれ、翌17日(日)に、スプリントのレースが実施された。

 舞台となったのは、ゲレンデ内の、標高差約70mの斜面。テープや旗門などでコースが設定され、選手はスキーにシール(滑り止め)を貼って登高し、コースのトップでシールを剥がして滑走する。登り区間には、スキーをバックパックに着けてブーツ登高するセクションもある。

 17日は天気が下り坂。レースが行われた午前中は、時折、小雨がパラつく不安定な空模様となった。出走選手は34名。スプリントは最初に予選があり、1人ずつコースを走って、そのタイムで決勝ラウンドへの進出が決まる。

シニア男子優勝の平林安里選手(写真右、黄色のスーツ)
トップを走る島徳太郎選手。後続とかなりの差をつけたが、惜しくもペナルティで2位と逆転

 シニア男子部門は予選、準決勝(2チーム)、決勝が行われた。優勝したのは、地元白馬村出身の平林安里(あり)選手。終始トップを走ったのは島徳太郎選手だったが、フライングでペナルティを取られ順位が入れ替わった。とは言え、島選手を追いかけた平林選手も、表彰台の常連。マウンテンバイク競技の日本代表選手という一面ももつ。「地元で優勝できて嬉しい。冬でも野外で楽しめて、アルプスなどの雪山にも入れるSKIMOは素晴らしいスポーツだと思う」と語った。2位は島徳太郎、3位は遠藤健太。

シニア女子優勝の田中友理恵選手。圧倒的な強さを見せつけた

 シニア女子部門は、予選・決勝と2レースを実施。優勝は田中友理恵選手で、先月のIndividual種目の優勝と合わせて2冠に輝いた。田中は元バイアスロンの五輪出場選手で、SKIMOに転向してからは国内で負けなしの女子トップ選手だ。「昨年はSKIMOに転向したばかりだったが、1年間ワールドカップなどで経験を積み、今年は自信を持って臨むことができた」と語った。続く2位と3位は僅差でのデッドヒートとなったが、結果は2位が滝澤空良、3位は臼井夏美となった。

シニア女子決勝では、2位の滝澤空良選手(写真左、黒いヘルメット)と、3位の臼井夏美選手(写真右、白いヘルメット)が熾烈なデッドヒートを繰り広げた

 筆者が本大会を観戦して感じたのは、選手のスピードおよびテクニックなど、すべてが昨年より洗練されているということだ。SKIMOの先進地はヨーロッパで、日本は世界を追いかける立場にあるが、急速に世界との距離を縮めていることが感じられた。

 4月6日~10日には、イタリアのミラノコルティナでワールドカップが開催される。日本代表選手の活躍が楽しみだ。

■4月には“登りだけ”のスキーレース「バーティカル」が開催される!

 4月14日には、同じく白馬八方で、「バーティカル」のレースが開催される(「Hakuba Happo Super Vertical Race」)。登りのみの種目で、スキー歴が短い人や、滑走が苦手な人、登りが得意な人が参加することも多いようだ。SKIMOに興味がある人はぜひ参加して、「登り」を含むスキーであるSKIMOの楽しさを実感してほしい。

「Hakuba Happo Super Vertical Race」公式facebookページ:https://www.facebook.com/happovertical

SKIMO総合情報サイト「SKIMO JAPAN」:https://jmsca-skimo.org/

【2024/3/29追記:本大会の表彰対象の訂正について】
本大会の終了後、主催者の日本山岳・スポーツクライミング協会SKIMO委員会から、リザルトおよび表彰対象の訂正が発表され、シニア男子の優勝は島徳太郎選手、2位が平林安里選手に変更された。
詳細は下記リンクを参照。
▼リザルト訂正について
https://jmsca-skimo.org/news/2024_japanchamps_info_results_correction
▼リザルト訂正版
https://jmsca-skimo.org/news/2024_japanchamps_sprint_result