■魅力2:肌あたりの良い柔らかな熱

 薪燃焼による熱はパワーがあるうえに、肌あたりが柔らかいという特性がある。肌にガッとくる熱さではなく(これが苦手でサウナ嫌いな人も多い)、肌にゆっくり浸透していくような感覚で、たとえば同じ85℃でも、不思議と電気やガスほど体感温度は熱く感じない。

 その理由は、電気やガスとは輻射熱(離れた物体間において赤外線を介して伝わる熱)の放出具合が異なるからであり、遠赤外線の波長が長いため、身体を芯から温めてくれるのだ。

冷え性な人ほど薪ストーブの熱でじっくりと温まってほしい

 また、ロウリュ(熱したストーンに水をかけて蒸気を発生させる)をした時も、電気ストーブとは蒸気の勢いや熱の広がり方にも違いがあり、なにより「じゅわあああ〜」という音にも違いが出て、シズル感があってなんともいい気分になる。

■魅力3:フレッシュエアーの循環で息苦しくない

 サウナが苦手という人の意見で多いのが、「息苦しくて長く入れない」というもの。それを解決してくれるのが、最近のサウナ界で温度や湿度以外に大切にされている「フレッシュエアー」という概念だ。

 文字通り、新鮮な空気という意味だが、このフレッシュエアーをいかに効果的にサウナ内に誘入して空気循環を行えるか次第で、サウナの質は大きく変わる。

ホースで空気を引き入れたり、窓の開閉で気流を作れるのもテントサウナの醍醐味

 薪が燃えるのにも新鮮な空気(酸素)が必要だ。空気を取り込んで薪が燃えることで、テントサウナの吸気口から外の新鮮な空気がストーブの中に吸い込まれていき、その流れ自体が自然な形での換気扇の役割を果たす。吸気口をしっかり開けるだけで空気の循環は行われるが、顔付近の窓の開閉によって人為的に空気の流れを作ることもできる。そうすることでサウナ内には常に新鮮な空気が循環され、サウナが苦手だった人も、「テントサウナでは息苦しさもなく気持ちよく入れた」という人も多い。