■高崎までグリーン車を利用した筆者の旅

群馬県最大の都市であり交通の要衝でもある高崎。新幹線を使えば東京から1時間弱かかる一方、在来線だと2時間弱かかるがあえて在来線を使う選択肢もある(撮影:黒多 矩明)
高崎から出ている上信電鉄では、今では珍しい切符に入鋏(改札を通った証明である切れ込みのようなもの)を入れてもらうことができる他、世界遺産にも登録されている富岡製糸場の最寄り駅(上州富岡駅)まで行くこともできる。(撮影:黒多 矩明)

 筆者は、直近では世界遺産に登録されている群馬県の富岡製糸場を訪れるため、東海道線の川崎駅から高崎線の高崎駅までJR東海道線、および宇都宮線のグリーン車を利用した。東京駅へ移動し、そこから上越新幹線に乗った場合、乗車券の他に新幹線自由席特急券として2510円かかるが、普通列車のグリーン車を利用したので1000円(平日料金)の追加料金で快適に移動できた。また、東海道線と高崎線は直通運転をしており、川崎駅からグリーン車に乗車したあとは東京駅で乗り換えることなく高崎駅までいくことが可能。乗り換えの回数を減らしたうえにちょっと贅沢ができるのも、普通列車グリーン車を利用するメリットである。

オレンジと緑の帯が特徴的な車両は、主に高崎線の高崎駅および宇都宮線の宇都宮駅から東海道線の熱海駅までを結ぶ。またその他、横須賀と千葉を横須賀/総武快速線や、上野と土浦を結ぶ常磐線にもグリーン車が併結されている車両があるので、同様にちょっとした贅沢ができる(イメージ)
群馬県の世界遺産、富岡製糸場は高崎駅から上信電鉄で約40分ほど。東京駅から高崎駅までは約100km。新幹線を使うかといわれると微妙な距離の時こそ、在来線のグリーン車でプチ贅沢に
家に着くまでが旅。旅先で買った物を帰りの車内で食べることができるのも、グリーン車を利用するメリットの一つ(撮影:黒多 矩明)

■Suicaを利用してより快適に

 最後に、普通列車グリーン車を利用する時にスマートフォンに入れておくと便利なアプリがモバイルSuica。事前にアプリ内で購入し、乗車後は座席上部にタッチするだけで、車内検札をパスすることができる。いつ来るか分からない検札を兼ねているアテンドの方から声をかけられ、そのタイミングでわざわざ切符を出す手間が省けるのでおすすめである。

 またモバイルSuicaを導入したくない人は、通常のカードタイプのSuica、もしくはSuicaと同じく首都圏で普及している交通系ICカードのPASMO、JR北海道が出しているKitaca、JR東海TOICAでも、グリーン車停車駅のホームに設置されているSuicaグリーン券の端末で購入することで、モバイルSuicaと同様のメリットを得られるので、ぜひ使ってみてはいかがだろうか。