僕は缶詰大好き人間なので、登山やキャンプに行くときは必ず缶詰を持っていく。その際にどんな種類を選ぶかというと、まずはそのときに食べたいものを最優先する。ざっくりいえば、肉と魚のどっちにするかといった単純な選択だ。

 その次に考慮するのは食べ方で、もし炊飯をする予定があれば白ごはんに合うものを選ぶ。登山などのハードなアクティビティがある場合、疲れきって料理をしないことも多いので、そのまま食べても満足できるものが候補になる。例えば、コンビーフである。

 最後は扱いやすさだ。個人の好みは別にして、じつはアウトドアではかなり扱いにくい缶詰も存在する。今回はそんなアウトドアに不向きな缶詰を紹介するとともに、使う場合の対処法も紹介したい。

■ツナ缶の油はどうする問題

ツナ缶を油ごと使って作る炊き込みごはん。油がうまみになる

 ツナ缶はあらゆる料理に使える万能選手だ。しかし、缶に入っている油を捨てるのが習慣になっている人は要注意である。野外での油切りの作業は、かなり面倒、かつ御法度だ。

 例えば、ゴミ袋に新聞紙などを入れ、缶から垂らした油を染みこませる方法もあるが、これをやると大抵、指が油まみれになる。缶自体も油にまみれるから置き場所に困り、缶を持ったまま途方に暮れたりする。さらに、それを持ち帰らねばならない。

 そんな悲喜劇を避けるなら、水煮や野菜スープ漬けのツナ缶を選んだほうがいいかもしれない。あるいは発想を変え、油ごと使うようにするか。

 ツナ缶の消費量が日本一多い沖縄県では、ツナ缶の油を捨てる人はまずいない。油がうまみの一種だと認識しているからだ。炊き込みごはんに使うときも、ツナ缶を油ごと入れれば、他にコンソメなどを足さなくても十分うまみが出る。