雪国である秋田県周辺には、11月から冬季閉鎖される道路が多くある。とくに山へ向かう道路は降雪量が多いため、11月に冬季閉鎖されるとGWくらいまで、約半年間は山に近づくことができなくなってしまう。道路が開通しても山にはしばらく雪が残るため、山開きを迎えるのは6~7月だ。

 そんな、もうすぐ「冬季閉鎖」となる山の中には、百名山や観光名所になっている人気の山もある。

 この記事では、秋田県周辺の冬季閉鎖してしまう人気の山を、秋田県在住の筆者が3つ紹介する。9月以降は紅葉が美しいので、冬季閉鎖前にぜひ足を運んでほしい。

■百名山「鳥海山」 変化に富んだ登山道が魅力

 日本百名山の一つである鳥海山は山容が美しく、地元では「出羽富士」と呼ばれ、愛されている。登山ルートがいくつもあり、そのルートごとに違う雰囲気の登山道を楽しめる。

鳥海山七高山山頂(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
賽の河原付近。噴火の名残であるごつごつした岩と、緑の草とのコントラストが美しい(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
真夏でも涼しい雪渓(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 筆者はポピュラーな登山道の一つ、「象潟口(きさかたぐち)コース(別名:鉾立(ほこだて)ルート)」を登ったことがある。コースタイムは往復約9時間と長いが、ガレ場や岩場、ハシゴ、雪渓など、登山道が変化に富んでおり、飽きることのない楽しい登山道だった。

 登ったのは2020年の7月下旬で、高山植物の花がたくさん見られる季節であった。これから秋に向かう時期は紅葉が美しくなる。雪渓の雪が一番少なく、歩きやすい時期でもあるので、冬季閉鎖前にぜひ行きたい。

御浜小屋近くの鳥海湖。山頂ではなく、ここを目指す登山者も多い(撮影:ブラボーマウンテン編集部)
天気が変わりやすい鳥海山の尾根(撮影:ブラボーマウンテン編集部)

 鳥海山は先述の通り行動時間が長く、岩場や雪渓などの難所もあるため、上級者向きの山と言える。途中の鳥海湖までであれば、象潟口コースで往復4時間ほどで難所も少ない。ある程度登山経験を積んだ中級者であれば、挑戦しやすいだろう。

 天候の変化が激しい山なので、レインウェアを忘れずに持参すること。また、山頂周辺はヘルメットの着用が推奨されている。万全の装備で臨もう。

●鳥海山

標高:2,236m
山開き:7月1日
場所:山形県飽海郡遊佐町(山頂)、酒田市、秋田県由利本荘市、にかほ市

URL:鳥海山登山ガイド-鳥海国定公園観光開発協議会- (chokaizan.com)

・メジャーな登山口へのアクセス
アクセス道路(鳥海ブルーライン)冬季閉鎖は、例年11月上旬~4月下旬